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旭化成、CO2を主原料とする高純度カーボネート類製造技術の第1号のライセンス契約を締結

LIB用電解液の原料となるECおよびDMCの高純度化製造技術パッケージが完成

2021年7月1日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)は、このたび、スマートフォンや電気自動車で使用されるリチウムイオン電池(LIB)の電解液の主要原料であり、世界中で需要が高まっている高純度エチレンカーボネート(EC) および高純度ジメチルカーボネート(DMC) の製造技術のパッケージが完成し、第1号のライセンス契約を締結したことをお知らせします。

1. 背景

昨今、電気自動車(EV)への世界的なシフトが見込まれ、それに伴いLIBのさらなる需要拡大が予想されています。一方、地球温暖化対策の観点から、LIBの主要構成要素にも環境に配慮した設計が求められています。
当社は、二酸化炭素(CO2)を原料としたポリカーボネート(PC)樹脂製造時の中間体であるECおよびDMCをLIB用電解液の原料に使用できるよう高純度化する製造技術の対応可否を検証してまいりましたが、このたびECおよびDMCの製造技術のパッケージが完成し、第1号のライセンス契約の締結に至りました。

2. ライセンスの概要

ライセンス契約内容

対象品
高純度EC 3.8万トンと高純度DMC 7万トンの製造技術パッケージ
ライセンス先
海外大手化学メーカー
供与するライセンス権
当該国における非独占的製造権および全世界への非独占的販売権

本技術パッケージの特徴

当社のPC樹脂製造技術同様、CO2を原料とすることです。原料の約半分がCO2であり、今回のライセンスで年間約5万トンのCO2を消費することになります。

本技術により環境に優しいLIB用電解液の供給が可能になり、持続可能な社会の実現に貢献すると考えています。
当社は、今後もCO2を原料とする環境に優しい技術をライセンスという形で世界中に広めていきます。

当社のPC樹脂製造技術ライセンスの取り組み
2002年に台湾・旭美化成において、世界で初めてCO2を原料としたPC樹脂の製法を実用化しました。その後、現在までに、5か国・地域6社に約90万トン相当の製造技術ライセンス供与を実施し、当社製法を採用するプラントは、世界全体の生産能力約600万トンの約16%を占めています。

以上