旭化成のクラウド型生鮮品物流ソリューション「Fresh Logi™」とJR東日本水戸支社鉄道網を活用した新たな生鮮品物流システムの開始
~朝どれ野菜の品川駅構内での販売~
2021年8月3日
旭化成株式会社
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)と東日本旅客鉄道株式会社水戸支社(支社:茨城県水戸市、支社長:小川 一路、以下「JR東日本水戸支社」)は、当社のクラウド型生鮮品物流ソリューション 「Fresh Logi™(フレッシュロジ)システム」と、JR東日本水戸支社が持つ鉄道網を活用した貨客混載・鮮度保持物流を構築しました。JR東日本水戸支社の事業エリア内で朝収穫された生鮮品が午後には販売可能となることに加え、旭化成の技術を用い、より鮮度保持にこだわった新たな輸送手段であり、JR東日本水戸支社沿線地域の活性化および、鉄道利用による低コストかつ低環境負荷での鮮度保持輸送の提供を目指し、8月5日からJR品川駅構内のNewDays品川中央にて販売される一部の生鮮品において運用が開始されます。
1. 「Fresh Logi™システム」と「JR東日本水戸支社の鉄道網」を活用した生鮮品物流について
昨今、コロナ影響による旅行客の減少に伴い、地方の産品の販売に影響が及んでいます。また、サステナブルな社会への貢献が求められる中で、フードロス削減やモーダルシフトによる省エネ化への取り組みは、ますます重要性が増しています。
旅客鉄道を貨客混載とし物流にも利用することで、温室効果ガスの排出などの環境負荷を低減しつつ、いち早く消費者に産品を届ける取り組みは既に開始されておりますが、このたび当社とJR東日本水戸支社は、「Fresh Logi™システム」を使用することで、より鮮度を保ったまま旅客車両で生鮮品を輸送することが可能になる物流網を構築しました。これにより、沿線の生産者にとっての新たな販売機会の創出、地域の活性化、産品の高付加価値化、生産から販売までの輸送・保管環境をセンシング・可視化することによるトレーサビリティ向上による消費者への安心・安全・品質の提供、旅客車両の有効活用による輸送の省エネ化と輸送力強化を実現します。
なお、この物流網を用いた初回の輸送は8月5日朝に茨城県内で収穫するとうもろこしを予定しており、同日内にJR品川駅構内のNewDays品川中央にて販売される見込みです。
2. 「Fresh Logi™システム」について
「Fresh Logi™システム」は、「Fresh Logi™密閉ボックス」※を用いた、クラウド型生鮮品物流ソリューションです。密閉ボックス内の環境(青果物の輸送・保管温度・湿度・ガス組成など)をセンシングすることで輸送・保管環境を可視化します。さらに当社のインフォマティクス技術を活用して青果物の鮮度を推定・予測します。
- ※「Fresh Logi™密閉ボックス」:
旭化成建材株式会社の高機能断熱材「ネオマ®フォーム」を用い、冷媒や冷蔵システムがなくても青果物の低温保持を可能にする運搬用ボックスです。少量に分けて収納・運搬が可能なため、従来の冷蔵車の運送時の課題であった「品目毎に最適な温度で輸送ができない」「ドア開閉時に青果物がヒートショックを受けて鮮度が落ちてしまう」問題を解決します。またボックスに内蔵されたセンサーで輸送環境を可視化することで、青果物の品質の信頼性の向上を実現します。
当社は、本取り組みを通じてフードサプライチェーンの見える化およびトレーサビリティの向上により食の「安心・安全」や「鮮度保持」を追求するとともに、スマート化によるフードロスの削減、環境負荷低減に貢献してまいります。また、今後も外部との積極的なコネクトを通じ、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値の創造・提供に努めてまいります。
以上