• プレスリリース

旭化成、イオン交換膜法食塩電解プロセスにおける新サービスの市場実証を開始

R2社の買収と同社ノウハウを活用したサービスの高度化

2021年9月8日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)は2020年2月に買収したRecherche 2000 Inc.(本社:カナダ ケベック州、CEO:Gilles Tremblay、以下「R2社」)とともに、イオン交換膜法食塩電解プロセス向けデータドリブン型新サービスの開発検討を進めてまいりましたが、この度、市場での実証を開始するに至りましたので、お知らせいたします。

1. 新サービス開発の背景

当社のイオン交換膜法食塩電解プロセスは1975年に販売を開始して以来、45年以上にわたる実績と優れた性能により、お客さまから高い信頼を得ています。2021年8月現在、全世界で30か国、150工場以上で採用され、その累積受注量は3,000万トン(100%苛性ソーダベース)を超える世界のトップクラスのサプライヤーです。
イオン交換膜法食塩電解プロセスとは、イオン交換膜を使用して食塩水を電気分解し、塩素、水素と苛性ソーダを生産するシステムです。このプロセスは、水銀やアスベストなどを使用するプロセスに比べ環境にやさしく、省エネルギーである点が高く評価されています。当社の高い技術力を活かした低電圧膜と電解槽の組みあわせは、電解プロセスにおける電力消費量を減らすことで、環境負荷の低減に貢献しています。
当社は、イオン交換膜と電解槽、電極、運転技術を含むすべての食塩電解プロセス技術を供給している世界で唯一のメーカーとしてこれまでもお客さまに対してトータルソリューションを提案してまいりました。一方、R2社は、高精度な食塩電解用モニタリング装置および安全・安定運転に特化したシステムの開発・製造会社であり、電解用モニタリング業界のリーディングカンパニーです。当社はR2社の買収以降、さらなるソリューションの高度化検討を進め、当社プロセスを使用するお客さまのみならず、クロルアルカリ業界全体にそのソリューションを提供することを目指してきました。

2. 新サービスについて

当社は世界各地に販売した電解槽の運転支援経験に基づいた優れた技術サポート力を有し、このコロナ禍においても、スマートデバイスを活用した遠隔でのプラント立上げ運転支援に取り組んでおります。
今後は、R2社のモニタリングシステムEMOS®および当社の製品開発技術力、技術サポート力を融合し、「スマート化」「安全・安定化」「サステナビリティ」をキーワードに、予兆保全・最適運転提案など、両社で新たなデータドリブン型のサービスを開発するとともに、イオン交換膜法をお使いの全てのお客さまのDX化をサポート致します。
新しいサービスの開発においては、2021年4月に膜・システム事業部 交換膜事業グループ内に立ち上げたカスタマーサクセス室とR2社が連携し、既に複数の当社のお客さまの工場にて、新サービスに関する実証実験を開始しております。
なお当社とR2社は、お客さまの同意が得られたデータのみを共有してまいります。

3. 今後の事業展開

本サービスの開発を通じて、ソリューション型へのビジネスモデル転換を図り、将来的にはサービスのプラットフォームを水素ビジネス分野へ展開することも検討致します。

ご参考 R2社概要

社名(商号)
Recherche 2000 Inc.
代表者
Gilles J. Tremblay
所在地
Centre de Commerce Mondial Montréal 380, St-Antoine O. Bureau 2000, Montréal, QC H2Y 3X7, Canada
設立
1989年
事業内容
電解プロセス向けモニタリング装置の製造・販売および電解プロセス向け安全、予兆保全、運転最適化システムの設計・開発・販売
サイトURL
https://r2.ca/

以上