本プレスリリースは、当社に関する最新情報を報道関係者、株主・投資家の皆さまへ提供することを目的としたものであり、プロモーションや広告、医学的なアドバイスを目的とするものではありません。
Asahi Kasei Therapeutics, Inc.(本社:米国ノースカロライナ州ケーリー、以下「米国セラピューティクス」)は、腎移植患者におけるBKウイルス感染症を対象とした新規抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であるAIC468の第2a相臨床試験※1において、最初の患者への投与が開始されたことをお知らせします。
AIC468の開発プログラムは、現在米国セラピューティクス傘下であるAicuris Anti-infective Cures AGにより進められてきたものです。
本試験は、第2相および第3相開発プログラムの一環で実施される無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験であり、複数の投与量での治験薬投与後有害事象(TEAE)の発現頻度および重症度の評価を通じて、腎移植後のBKウイルス感染症を有する成人患者での安全性、忍容性および薬物動態プロファイルを評価します。このたび、第1相試験で良好な安全性、忍容性および薬物動態が確認されたことを受け、第2a相試験へ移行しました。
米国セラピューティクス Chief Medical Officer Carl Kraus(カール・クラウス)コメント
BKウイルスの再活性化は、免疫機能が正常な人では通常大きな問題となることはありませんが、腎移植患者さんにおいては依然として重大な合併症です。ウイルスが再活性化すると、移植腎機能障害やBKウイルス腎症を引き起こす可能性があります。腎移植患者さんとそのご家族にとって、これは移植腎を失う高いリスクを意味します。健康な成人を対象とした第1相臨床試験で良好な結果が示唆されたことを受け、本試験において最初の患者さんへの投与が行われたことは、現状承認済みの治療選択肢が存在しない患者さんにとって、標的型抗ウイルス療法の開発に向けた重要な一歩と言えます。私たちは、移植された臓器を保護し、患者さんの長期的な転帰の改善に貢献することを目指しています。
BKウイルスについて
BKウイルスは広く存在するヒトポリオーマウイルスの一種であり、通常は幼少期に感染し、成人の90%以上において生涯にわたり無症候性のまま体内に潜伏します。しかし、臓器移植患者などの免疫抑制状態にある人では、BKウイルスが再活性化し、重篤な健康上の問題を引き起こすことがあります。
腎移植患者では、移植腎におけるBKウイルスの再活性化によりBKウイルス関連腎症(BK virus-associated nephropathy:BKVAN)を発症することがあり、その発症率は移植患者の最大10%に及ぶとされ、移植腎喪失につながる可能性があります。現在の管理方法は免疫抑制療法の減量が中心ですが、これにより移植腎拒絶反応のリスクが高まります。このようにBKV感染は広く認められているにもかかわらず、現在、BKウイルスに対して承認された抗ウイルス治療薬はありません。
AIC468について
AIC468は、腎移植患者におけるBKウイルス複製の抑制を目的として開発中の抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、BKウイルス初期遺伝子領域のpre-mRNAのスプライシングを制御します。BKウイルスの複製に必須なLarge T抗原の設計図となるmRNAの形成を阻害し、感染細胞内でのウイルス複製を抑制します。
この革新的な作用機序は、前臨床試験および健康成人を対象とした第1相臨床試験において、強力な抗ウイルス活性に加え、良好な薬物動態および安全性プロファイルを示しています。
以上