旭化成の超イオン伝導性電解液技術「Acetolyte™」を採用したEAS Batteries社の超高出力リチウムイオンLFP電池セルが販売開始
2026-06-02T11:00:00
旭化成株式会社
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旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)はこのたび、旭化成が開発した超イオン伝導性電解液技術「Acetolyte™」(以下「本技術」)を採用した超高出力リチウムイオンLFP電池セル(以下「本セル」)について、ドイツの電池メーカーEAS Batteries社(本社:ドイツ テューリンゲン州、以下「EAS社」)が2026年3月に販売を開始したことをお知らせします。

EAS社の超高出力リチウムイオン電池セル

本技術を採用した電解液は、アセトニトリルを含有し、高いイオン伝導性を有することから、電池の内部抵抗の低減と出力特性の向上を実現します。特に、厳しい温度条件下において優れた性能を発揮する点が特長です。両社は、2025年11月に本技術の使用に関するライセンス契約※1を締結しており、本セルの販売開始は、Acetolyte™のライセンシング戦略における重要なマイルストーンとなります。

さらにEAS社は、本技術について、電池メーカーや自動車OEMへのサブライセンス契約を進めるとともに、次世代46xxxセルへの適用に向けた評価を進めています。46xxxセルは、直径46 mmの大型円筒型リチウムイオン電池セルです。2026年中の製品化を目指して開発を進めており、試作用セルはすでに提供可能です。46xxxセルは、今後、電気自動車(EV)などのモビリティ用途をはじめ、幅広い分野での活用が期待されています。

Acetolyte™を採用した超高出力リチウムイオン電池セルの特長

性能まとめ

本セルは、公称容量22Ahの円筒形リチウムイオンLFP(リン酸鉄)電池です。連続放電※4時には2,550 W/kgの出力を達成しており、従来の電解液を使用したセルと比較して約60%の出力向上となります。
また、2秒間のパルス放電※5においては最大3,760 W/kgの出力を示し、従来比で約10%の出力向上を確認しています。
さらに、本セルは室温条件において5C/5C、100% DoDという電池にとって負荷の高い条件でも、2,400回の充放電後に初期容量の80%を維持する長寿命を実現しています。従来セルでは劣化が進みやすいこうした条件下においても性能を維持できる点が特長です。現在、各産業分野の顧客による評価が進められています。

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「Acetolyte™」を採用した超高出力リチウムイオンLFP電池セル
(UHP-601300-LFP-22)
従来の電解液を用いた同一容量・同一仕様のセル
(HP-601300-LFP-22)
連続放電
2,550 W/kg; 880 A(40C)
1,550 W/kg; 550 A(25C)
パルス放電(2秒)
3,760 W/kg; 1,320 A(60C)
3,420 W/kg; 1,320 A(60C)

同じ電池設計で異なる電解液を使用した2製品の性能比較

代表者コメント

EAS Batteries社 マネージングディレクター Michael Deutmeyer氏

「旭化成のAcetolyte™を採用した新セルの商業化は、両社の戦略的パートナーシップにおける重要な節目となります。また、46xxxセルフォーマットに関する共同開発も順調に進んでおり、コンセプトから市場投入に至るまでのイノベーションを加速する、両社の開発力と協業の強みを示しています。」


旭化成株式会社 常務執行役員 研究・開発本部長 研究開発・知財担当 松崎 修

「2025年11月のライセンス契約締結から、2026年3月の量産開始に至るまで、短期間で製品化を実現できたことは、EAS社と旭化成が連携して取り組んできた成果です。先進的な電解液技術を短期間で実用化できたことは大きな意義があります。今後も次世代セルの開発を通じて、高性能電池ソリューションのさらなる進化に貢献していきます。」

Acetolyte™について

Acetolyte™は、アセトニトリルを含有する旭化成が開発した電解液技術です。高いイオン伝導性により、低温環境における出力向上と高温環境での耐久性向上を可能とします。さらに、電池コストの低減や電池パックの小型化にも寄与し、エネルギー密度の向上にも貢献します。

旭化成の無形資産の活用について

旭化成は2025年4月に発表した『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』※6のもと、研究開発においては「変わる未来のはじまりを。」を理念に掲げ、特許やノウハウ、データ、アルゴリズムなどの無形資産を活用した「TBC」を推進しています。これは旭化成が保有する豊富な無形資産を多様な形態やライセンスとして提供・活用し、収益化を図る取り組みです。このアプローチにより、スピード感と資産効率を両立した新規事業創出が可能となり、顧客やパートナーに最大限の価値を提供します。こうしたライセンス活用によるビジネスを、2025~2027年度で10 件以上生み出し、2030年頃までの累積利益貢献で100億円以上を目指しています 。

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  1. 2025年11月4日プレスリリース
  2. 高出力特性:短時間または連続的に大電力を出力できる性能。加速性能や瞬間的に大電流が要求される用途でのパフォーマンス向上に寄与する。
  3. サイクル寿命:充放電を繰り返した際に、一定の容量を維持できる回数。電池の長期使用や交換頻度の低減に寄与する。
  4. 連続放電:一定電流で所定電圧まで連続して放電する方式。連続して、安定した電力供給が求められる用途に適する。
  5. パルス放電:短時間に大電流を断続的に流す放電方式。瞬間的な高出力が求められる用途に適する。
  6. 中期経営計画に関するプレスリリース
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以上

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