旭化成、ミリ波微小金属検査技術において当社初となるライセンス契約を 国内検査機メーカーと締結
AIサーバーなどに用いられるプリント配線板向けガラス繊維の品質管理高度化と社会実装を加速
2026-11-04T11:00:00
旭化成株式会社
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旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、このたび、当社が保有する「ミリ波微小金属異物検査技術」(以下「本技術」)について、検査装置の設計・製造・販売を手掛ける株式会社アヤハエンジニアリング(以下「アヤハエンジニアリング」)と、糸・繊維製品中の金属異物検査用途を対象としたライセンス契約を締結しました。
アヤハエンジニアリングは本技術を活用した金属異物検査装置の製品化を進め、2027年1月を目途に検査装置の販売を開始する予定です。当社は、本契約を通じて、自社の製造現場で培ったセンシング技術の社外展開を進め、製造現場における品質管理の高度化に貢献します。

ミリ波微小金属異物検査機 試作機

1.背景

糸・繊維製品の製造工程では、金属異物の混入が製品の性能や品質を損なうおそれがあるため、工程内での異物検査が不可欠です。昨今、AIサーバーや高速・大容量通信の普及に伴い、プリント配線板の補強材・絶縁材に用いられる高性能ガラスクロスには、さらに高い品質が求められています。その原料となるガラス繊維に微小な金属が混入すると、最終製品の電力損失や発熱などの不具合につながるおそれがあります。
また、従来の方式※1では、対象物が動くことで生じる変化を利用して金属異物を検知するため、検査対象を一定以上の速度で搬送する必要があり、搬送速度が遅い工程や、対象物を停止させた状態での検査には適用できないという課題がありました。
当社は、こうした課題の解決と自社のガラス繊維製造工程における品質管理の高度化を目的に、独自の金属検査技術を開発してきました。その結果、ミリ波帯の空洞共振器を用いることで、停止状態から高速搬送時までの幅広い条件下で、糸などに混入した微小金属を非接触検知できる技術を確立しました。
また当社は、研究開発や製造現場で蓄積した特許、ノウハウ、データおよびアルゴリズムなどの無形資産を、社外パートナーとの連携やライセンスを通じて活用し、社会課題の解決と新たな事業機会の創出を進めており、本件もその取り組みの一環です。

2.本技術の特長

本技術は、ミリ波帯の空洞共振器内に糸などの検査対象を通し、微小金属による電場の変化を共振周波数の変化として捉えることで、金属異物を非接触検知します。
空洞共振法は金属の透磁率※2の影響を受けにくく、鉄やニッケルなどの磁性金属だけでなく、アルミニウムや銅などの非磁性金属も高感度に検出できます。
また、本技術は、従来方式にあった搬送速度の下限がなく、停止状態から最大800m/minまで対応できます。このため、低速搬送を含む幅広い製造工程でインライン検査が可能です。
本技術のキーデバイスには、当社の子会社である旭化成エレクトロニクス株式会社の60GHz帯ミリ波レーダーセンサIC「AK5816」を採用しています。

3.今回のライセンス契約について

本契約により、当社のセンシング技術とアヤハエンジニアリングが持つ検査装置の設計・製造・販売およびシステム構築の知見を組み合わせ、本技術を製造現場向けで活用可能な検査装置として実用化します。特に、AIサーバーや高速・大容量通信の普及に伴い需要が増しているガラスクロスの原料であるガラス繊維について、製造段階で微小な金属異物を検知することで、サプライチェーン全体の品質管理の高度化や、不良流出・廃棄ロスの低減への貢献が期待されます。

4.今後の展開

今回のライセンス対象は糸中の金属異物検査用途ですが、本技術は、フィルム・液体・粉体中の金属異物検知に加え、誘電率の変化を伴う材料の化学変化の検査にも応用できます。当社は今後、こうした用途への展開も含め、他の社外パートナーへのライセンス提供も視野に入れ、社会実装を推進していきます。
当社は今後も、自社の研究開発や製造現場で培った技術の社外展開を進め、製造現場の品質管理高度化に貢献するとともに、無形資産による新たな価値創出と事業機会の拡大を目指します。

  1. マイクロ波ドップラー方式:対象物に電波を照射し、対象物の移動によって生じる反射波の周波数変化(ドップラー効果)を利用して金属異物を検知する方式
  2. 透磁率:物質が磁界に対してどの程度反応するかを示す性質
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ご参考

旭化成の無形資産の活用について

旭化成は2025年4月に発表した『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』のもと、研究開発においては「変わる未来のはじまりを。」を理念に掲げ、無形資産を活用した「TBC(Technology value Business Creation)」を推進しています。これは旭化成が保有する豊富な無形資産を多様な形態やライセンスとして提供・活用し、収益化を図る取り組みです。こうしたライセンス活用によるビジネスを、2025~2027年度で10件以上生み出し、2030年頃までの累積利益貢献で100億円以上を目指しています。

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以上

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