100 Stories2020 ヘルシーカー

2020年に起きた新型コロナウイルスによるパンデミック。共有空間の衛生管理とウイルス感染のリスクを減らすことは、世界各国で大きな課題となった。自動車業界においてもこれらのニーズに対処するために、旭化成ヨーロッパ(AKEU)と旭化成アメリカ(AKA)のオートモーティブのマーケティングチームが協力して「ヘルシーカー」のコンセプトを作成した。

2020年12月、車内に求められる機能についてグローバルで調査を実施。調査の集計結果には、消費者が車の表面だけでなく、車内の衛生的な環境、車内の空気の消毒や消毒するための機能に非常に興味を持っていることがわかった。これはとても重要な観点であり、パンデミックが収まった後も引き続き関連するものだ。

モビリティにとっての「安全」は、衝突時に乗員を安全に保つという観点から定義されてきた。自動運転車の時代に移行するにつれ、事故のリスクは減少する。事故から守る安全から、通常運転での環境の安全へ、また社内外の環境を健康的に保つことも必要になってきた。

ヘルシーカーはいくつかの旭化成製品を搭載することにより、安全性を提案している。

旭化成プラスチックス・ノースアメリカのPPコンパウンド「サーミレン」は、軽量化に貢献する製品で、ドアパネルやシートなどに採用され、衝撃改良・耐熱性・耐候性・耐傷性・低VOC等に貢献する。

セージの「NEXXエッセンシャルズ」は、安全かつ機能的なテクノロジーをインテリアにもたらしモビリティ体験を向上させるものだ。抗菌性、VOC削減、防臭・消臭などに効果を発揮する。さらに、車内の二酸化炭素の濃度を検知する「CO2センサー」も搭載。濃度上昇による能力低下での運転ミスを減少させることができる。

この他にも、車内の空気の質を改善するために有効なUVC-LEDや、乗員の健康状態を監視するシステム「ボイスヘルスモニタリング」など、新時代のモビリティの形を提案している。

グローバルでの迅速かつ頻繁なコミュニケーションと協力を通じて、市場の新たなニーズに対応するパッケージソリューションを自動車OEM向けに作成したヘルシーカー。コロナウイルスという未曾有のパンデミックとモビリティの新時代のニーズが詰まったヘルシーカーは、将来の車両プログラムを統合するための開発プロジェクトへの取り組みに繋がっている。

https://www.asahikasei-automotive-us.com/innovations/healthycar