中期経営計画 2024 ~Be a Trailblazer~ について

旭化成グループでは、長期的に目指す姿に基づいて次の3カ年の方向性を示す『中期経営計画 2024 ~Be a Trailblazer~』を策定し、2022年度4月に始動させました。本中期経営計画は、これまでと変わらぬグループミッションの下で、“「持続可能な社会」への貢献” と “持続的な企業価値向上” の2つの「サステナビリティ」の好循環の実現に向けて、当社グループが長期的に目指す姿に到達するための方向性と戦略を示すものです。

旭化成グループが2030年に目指す姿

今後の社会課題は、産業の垣根が低くなり相互に関連し合うことが想定されます。それらの課題に解決策を提供するため、当社グループは5つの価値提供分野にフォーカスし、当社グループが持つ「コア技術」「変革のDNA」「多様な人財」を強みに事業展開を進めていきます。それにより2030年度近傍において営業利益4,000億円、ROE15%以上、ROIC10%以上の達成、加えて2030年度に2013年度比30%以上のGHG(温室効果ガス)排出量削減の達成を目指します。

最終年度を迎える『中期経営計画2024 ~Be a Trailblazer~』の概要および進捗状況

本中期経営計画では、2030年の目指す姿に向けたファーストステップとして、次なる成長事業への重点的なリソースの投入と、中期視点での抜本的な事業構造の転換に着手してきました。構造転換においては、効果創出を狙ったものとして1,000億円相当以上、石油化学チェーン関連事業として約6,000億円規模の事業を対象に2024年度中に意思決定することを目指しています。
長期成長に向けた投資においては「GG10(10のGrowth Gears: 成長牽引事業)」にフォーカスし、累計投資額は本中計策定時の計画(約6,000億円)を上回る約7,000億円となる見込みで、営業利益はGG10合計で事業利益の50%以上を目指しています。一方、その他事業への投資は、財務規律を重視した投資判断を徹底します。

次の成長を牽引する10のGrowth Gears(“GG10”)の方向性

  • *1 営業利益+PPA償却費
    *2 比率は本社共通費などを除く、事業利益の合計値に占める割合で算出

また経営基盤の継続強化として、「GDP(G:グリーントランスフォーメーション、D:デジタルトランスフォーメーション、P:人財のトランスフォーメーション)」、さらに「無形資産の最大活用」を加えた4つの重要テーマに注力しています。

計数面では、利益成長、ROE、ROICを重要な経営指標として、持続的な企業価値向上を図ります。 2022年度から2023年度にかけてのマテリアル領域の低調な推移や減損損失計上の影響を踏まえ、2024年度は営業利益1,800億円、ROE5.5%、ROIC4.5%に目標を再設定します。引き続き、事業ポートフォリオ変革の推進と成長投資からの利益創出により資本効率の改善を目指します。なお、中計の当初目標である営業利益2,700億円は、2026年度から2027年度にかけての達成を目標とします。株主還元は、配当での還元を基本とし、安定配当重視の方針のもと、利益成長に合わせた配当金の維持・向上を図ります。

中期的な方向性としては、安定的事業の収益をもとに財務的健全性を維持しながら、“事業ポートフォリオ変革”と“3領域の多様な成長機会”に挑戦し続けてまいります。

経営指標

  • *1 EBITDA=営業利益+減価償却費(有形、無形、のれん)
    *2 ROIC=(営業利益-法人税等)÷期中平均投下資本

2024年4月更新