社会活動

方針

旭化成グループでは、操業地域において、地域社会と良好な関係を築き、地域の発展に寄与することは企業の社会的責任であると捉えています。地域の文化を十分に理解し、地域社会の皆様とのコミュニケーションを深め、地域の発展に資することを目指します。
当社グループの事業を基点として、地域の雇用創出や調達を通じて、地域活性化に貢献するとともに、その地域の課題解決につながる活動を展開していくことをグループ全体の方針とします。また、地域交流会や工場見学の受け入れ、地域貢献活動等を通じて、地域社会の皆様に当社の事業や取り組みへのご理解をいただくとともに、いただいた声を経営に活かしていきます。

マネジメント体制

工場周辺地域とのコミュニケーションに関しては、当社グループの各地区の総務部門が中心となり、定期的な地域交流会や工場見学等の企画・運営を行っています。

工場見学の受け入れ

当社グループでは、事業活動および環境安全への取り組みについて理解していただくために、工場見学を実施しています(実施していない工場もあります)。

  • 工場見学(水島製造所)
  • 工場見学(大分地区)

生産拠点周辺の地域の皆様との対話

当社グループの主要生産地区では、地域の自治会などを通じた地域住民の皆様との懇談や、体育館・グラウンド・駐車場などの施設の開放、イベントの開催などで、対話と交流を行っています。

  • 自治会交流会(守山製造所)
  • CSR報告会(鈴鹿製造所)
  • 工場空地児童虫取り体験(大仁地区)
  • 工場周辺美化活動(川崎製造所)
  • クリーン作戦(富士支社)
  • 工場周辺海岸清掃(延岡支社)

NPO法人の次世代教育を支援

2009年より当社OB会の会員有志で発足し、2012年にはNPO法人化した「学校支援のべおかはげまし隊」を当社は支援しています。宮崎県延岡市の中学生に対し、数学・理科の学業支援を行っています。

「学校支援のべおかはげまし隊」の活動

方針

旭化成グループでは、社会を構成する一員としての責任を果たすべく、以下を社会貢献活動方針に掲げ、活動を展開しています。この方針に基づき、「次世代育成」「環境との共生」「文化・芸術・スポーツ振興」の3つの分野を中心とした支援を通じて、当社の事業に関わる地域やステークホルダーとの共存共栄を図っていきます。

  • 1.旭化成グループの経営資源である人財と技術を有効に活用し、旭化成として特色ある活動を展開します。
  • 2.目的と効果を常に意識し、より価値のある活動を心掛けます。
  • 3.従業員の参画意識を醸成するとともに、一人ひとりの自主的な活動を支援・促進します。
  • 旭化成グループ 社会貢献活動テーマ 次世代育成、環境との共生、文化・芸術・スポーツ振興

社会貢献活動実績

当社グループは、従業員の積極的な社会貢献活動への参加を支援するとともに、日本経団連の「1%(ワン・パーセント)クラブ」に参加し、毎年、社会貢献活動関連の支出額(換算値を含む)を実績として報告しています。2023年度の総寄付金額(コミュニティ投資額を含む)は17億2,631万円でした。

  • 「1%クラブ」が実施する社会貢献活動実績調査の調査方法に基づき、当社グループ全体の活動実績を金額換算したもの。

活動総額 2019年度 1,143百万円、2020年度 2,147百万円、2021年度 1,799百万円、2022年度 1,574百万円、2023年度 1,726百万円、対経常利益率 2019年度 0.62%、2020年度 2.62%、2021年度 0.85%、2022年度 1.29%、2023年度 1.92%社会貢献活動関連支出の推移

次世代育成

出前授業(講師派遣事業)の実施

当社グループの主要生産地区において、小・中・高校生の皆さんに科学技術への関心と理解を深めていただくため、当社従業員が学校に出向き、理科や化学、環境に関する実験授業を行っています。
2023年度は、31校、延べ59回、およそ3,000名の児童・生徒の皆さんが受講しました。

  • 静岡県富士市
  • 滋賀県守山市
  • 宮崎県延岡市

科学・環境学習関連企画への協賛

当社グループは、小学生や中・高校生を対象とした科学・環境学習関連の企画に協賛しています。

日本学生科学賞

中・高校生の科学教育の充実を目的として、読売新聞社が主催している『日本学生科学賞』に、2008年度から単独協賛しています。受賞者の皆さんを当社の工場見学に招待し、従業員との交流の機会を設けることで、科学の仕事を実感してもらっています。

  • 取締役会長による「旭化成賞」 授与の様子(写真提供:読売新聞社)

地球教室

朝日新聞社が企画・運営する小学生対象の環境教育プロジェクト『地球教室』に、2008年度から協賛しています。希望する全国の小学校等に配布される環境教育テキストの編集協力や、「長持ちする家は地球にやさしい」をテーマにした小学校での出張授業の実施、小学生の親子を対象とした環境学習イベントへの講師派遣などを行っています。

科学の甲子園全国大会

当社は、2011年度の第1回大会より、JST(科学技術振興機構)主催「科学の甲子園全国大会」に協賛し、旭化成賞を授与しています。

次世代育成に関する自主企画イベントの開催

当社グループは、小学生や中・高校生を対象に、次世代育成に関する自主企画イベントを開催しています。

「夏のリコチャレ」イベント

内閣府が中心となって推進している理工系人材育成のための「理工チャレンジ(リコチャレ)」に、日本経済団体連合会の一員として賛同しています。2015年より「夏のリコチャレ」イベントを自主企画し、理工系に興味のある高校生を対象に、「理系の職場見学会 知ろう見よう!」と題して、イベントを開催しています。

夢・化学-21「夏休み子ども化学実験ショー」

本イベントは、小学生を中心とする子どもたちに“化学のふしぎ、おもしろさ、たのしさ”を体験してもらい、化学に興味を持つきっかけをつくることを目的に実施されており、当社グループは2006年から協力し、毎年、当社オリジナル化学実験を企画し出展しています。

名誉フェローの吉野彰が「世界の環境問題の解決」をテーマに特別授業を実施

都内高等学校で当社名誉フェローの吉野彰が2018年より特別授業を行っています。

宮崎県デジタル人財育成コンソーシアム

宮崎大学、旭化成株式会社、株式会社宮崎銀行、株式会社デンサン、イー・アンド・エム株式会社は、宮崎県をはじめとする県内自治体、高等教育機関、企業と相互に連携・協力しながら、デジタル技術に関する教育・人財育成を通して、デジタル技術の普及とデジタル技術の浸透の質的向上を推進することにより、宮崎県のデジタル化の充実・発展を図り、宮崎県の持続的な発展および地域創生に貢献することを目的とした、「宮崎県デジタル人財育成コンソーシアム」を2023年5月12日に設立しました。

旭化成奨学生制度

当社グループは、新分野を開拓し科学技術の向上に寄与する人材を育成するため、奨学生制度を設けています。
大学院修士課程、博士課程ならびに6年制大学に在籍している方を対象に、化学・化学工学・機械・土木・建築・制御・電気・電子・強電・物理・情報・生物・薬学・農学・医学・獣医学などを専攻する方から応募を受け付け、多数の皆様に奨学金を貸与しています。

環境との共生

「あさひの森」(宮崎県)での植林活動

宮崎県延岡市にある「あさひの森・速日の峰」で、毎年植林活動を行っています。

「あさひ・いのちの森」(静岡県)

「あさひ・いのちの森」は、静岡県富士市の富士支社内で、富士市沿岸部の原風景の再生を目指して2007年に開始した環境再生ゾーンです。入念な事前調査を経て、旧工場跡の完全な更地に、従業員・地域有志1,900人余による植樹をもってスタートしました。以降、専門家と共に綿密な緑地維持・管理計画を着実かつ継続的に実施することで、静岡県の希少植物を含む多様な動植物の定着に成功しました。
この森では、蛍の鑑賞会や、いきもの観察会など、環境との共生活動を学ぶ場として、地域の方々にも開放しています。

文化・芸術・スポーツ振興

スポーツを通じての社会貢献

金沢マラソンへの協賛

当社は、旭化成ゾールメディカルと共に、2016年以来、毎年10月に開催される「金沢マラソン」にゴールドスポンサーとして特別協賛しています。旭化成ゾールメディカルは走行コースに設置するAED(自動体外式除細動器)の提供と、大会救護ボランティアの方々への事前AED救命講習を実施しています。

企業スポーツ陸上部・柔道部を通じての社会貢献

企業スポーツ部(旭陽会)陸上部および柔道部は、オリンピック競技大会に延べ50名近い従業員を代表選手として送り出し、輝かしい成績を残しています。さらに、陸上や柔道に関わる社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

<陸上部>
主に練習拠点を置く宮崎県延岡市周辺で陸上トラック長距離走の記録会「ゴールデンゲームズinのべおか」のイベント運営に協力しています。

<柔道部>
国内各地で、「柔道教室」を開催しています。海外では、当社の海外拠点があるドイツ・デュッセルドルフ市でも開催しています。

  • 柔道教室の様子
  • ドイツ・デュッセルドルフ市 Asahi Kasei Judo Workshop

文化・芸術振興

(公財)旭化成ひむか文化財団

『旭化成ひむか文化財団』は、当社の発祥の地、宮崎県において、地域の文化振興に資するため1985年に設立されました。以来、宮崎県内において、音楽・芸術・演劇などの文化行事の開催、地域の文化活動の支援、郷土文化への理解醸成のための活動などを行っています。

被災地支援・地域防災・その他の活動

「令和6年能登半島地震」で被災された皆様と被災地への支援

2024年1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」で被災された皆様と被災地への支援のため、石川県に対して8,000万円を寄付しました。また、関係会社の旭化成ホームプロダクツ株式会社においては、被災された地域の皆様への支援物資として「サランラップ®」を提供しました。当社子会社の旭化成ファーマ株式会社も日本赤十字社を通じて義援金1,000万円を寄付しました。

心肺蘇生および救命救急医療の研究・教育活動の支援

当社グループのZOLL Medical Corporation(ZOLL社 本社:米国マサチューセッツ州)は「The ZOLL Foundation(ゾール基金)」に対し、心肺蘇生および救命救急医療の研究・教育活動の支援として、寄付を実施しています。
ゾール基金は、2013年に設立した非営利の公共慈善財団で、ZOLL社とは独立して運営されています。同基金は、心肺蘇生措置の質の向上や、心筋梗塞による容体悪化の防止および救急患者の死亡率・罹患率を下げるケアの向上による生命予後の改善を目的とし、革新的な研究や若手研究者の研究・教育・啓発活動に助成金を提供し、これらの活動を支援しています。

「ライフスポット」の設置

当社では、膜ろ過技術を活用して、深井戸の水などを高度浄化して飲用できるようにする飲料水供給システム「ライフスポット」を守山・鈴鹿・延岡の各生産地区に設置しています。災害時にはこの「ライフスポット」から得られた飲料水を地域に供給するなど、地域の災害支援に活用できる取り組みを行っています。

「ライフスポット」(滋賀県守山市)

献血活動の推進

当社グループは、グループミッションである「人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するために、身近でできる社会貢献活動として、日本赤十字社に協力し、全国で献血活動を行っています。

UNICEFへの寄付

当社は、将来世代を担う世界の子どものいのちと健康を守るUNICEFの活動に賛同し、公益財団法人日本ユニセフ協会が行う「ユニセフ支援ギフト」を通じて、世界中の子どもたちを支援しています。
本支援内容は、当社グループ従業員対象の「サステナビリティ・フォトコンテスト」での応募者数と応募者の意見に基づいて決定しています。

  • サステナビリティ・フォトコンテストについて身近なところから「サステナビリティ」について考え、行動するきっかけとなる写真を、持続可能な社会に向けた当社グループの姿勢を示す「Care for People, Care for Earth」の視点で世界各国の当社グループの拠点から募集しています。

海外グループ企業による社会貢献活動

当社グループのアメリカ・ヨーロッパ・中国・韓国・東南アジアなどにある事務所や製造拠点は、それぞれの地域の事情に配慮しながら、環境美化・清掃、福祉・教育支援、地域団体・学校への寄付などの活動を行っています。

アメリカ

ゾール・メディカル(救命救急医療機器メーカー)

心臓病や脳卒中からいのちを救うことを目的としたチャリティイベント「ハートウォーク」(主催:アメリカ心臓協会)に、従業員が毎年参加しています。

セージ・オートモーティブインテリア

2012年以来、グローバル本社近くの学校、公園、近隣に木を植えるために「TreesUpstate」に寄付をしています。寄付金で植樹した木々が育つと、毎年430万マイルの自動車排出ガスを除去し、洪水を防ぎ、飲料水をきれいにするために、毎年195,500ガロンの雨水を貯えます。

Crystal IS

クリスタルIS社は、社会インフラが整っていない、もしくは破壊されている辺境において、UVC LED (深紫外線発光ダイオード)が、紫外線殺菌を施す理想的な光源になると考え、「UV 4 Good」プログラムを展開しています。「Maji Safi UV」プロジェクト(ケニア)と提携して、地域社会に安全な飲料水を供給するための製品などを提供しています。

旭化成プラスチックノースアメリカ

毎年、ミシガン州リビングストン郡の高校生を受け入れ、事業所を見学してもらい、製造業が秘める可能性について紹介しています。

また、毎年、ミシガン州のFowlerville Family Impact Centerから、プレゼントを必要としている家庭のリストの提供を受け、そのリストをもとに、おもちゃ、画材、電化製品、衣類、年末の食事用の食料を寄付しています。

Synergos

シナゴス社は、余命が短いまたは末期的な小児患者とその家族への緩和ケアや支援を無償で提供する団体「ライアン・ハウス」が毎年開催する「ランニング大会」と「コミュニティ朝食会」に、それぞれ後援し参加しています。

オースティンカンパニーズの従業員は、毎年開催されるPTSD(心的外傷後ストレス症候群)の犠牲者、闘病者、克服者を支援する5キロのチャリティランニング/ウォーキング大会に参加しています。

エリクソン フレーミング社は、West-MEC職業訓練校の生徒たちへ、総合建設技術プログラムとして建設の体験学習の機会を提供することで支援しています。

タイ

旭化成プラスチックス(タイランド)

2018年より毎年、アユタヤ県内で病院等が主催するチャリティーマラソンに参加し、集まった参加費やその他チャリティ金を病院に寄付しています。

タイ旭化成スパンデックス

毎年、年末に、地域の皆様へ工場のマネージャー、従業員一同でのお礼と、地域の子どもたちへお菓子等のプレゼントを配布する活動をしています。

2022年より、周辺地域社会の皆様と地域の幼稚園生を工場に招き、工場のRC活動紹介等を行った後、子どもたちからも発表等を行ってもらい、親睦を深めています。

ヨーロッパ

旭化成ヨーロッパ

2018年よりドイツ・デュッセルドルフで行われているランニングイベント「B2Run」に従業員が参加しています。各ランナーが支払った参加費の一部は、白血病やその他の血液疾患の撲滅に注力している国際慈善団体「DKMS」へ寄付されています。

2021年よりRhineCleanUpイニシアティブに協力し、従業員とその家族がオフィス近くにあるライン川岸の清掃活動を行っています。

インド

旭化成インディア

2022年度より、インドのNGO Akshaya Patraとコラボし、旭化成ホームプロダクツのインドにおける販売製品(サランラップ。現地販売名「Premium Wrap」)で包んだ食品を撮影した写真をSNS(Facebook、Instagram)上に投稿した場合、1投稿に対して3~4食分の学校給食をAkshaya Patraを通じて寄付しています。