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マテリアルズ・インフォマティクス(MI)

開発期間の劇的短縮やこれまでにない革新的な素材開発を目的とし、人工知能(AI)や統計解析により素材の研究・開発を効率化するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用を推進しています。すでに、短期間で革新的な素材の開発につながる成果を多数上げており、多くの製品の開発でMIを活用しています。
また、2021年までの3年間は、初級・中級・上級のMI技術を習得した「MI人財」育成の強化に取り組んでおります。MI人財育成では、社内クラウド教育システム「MI-Hub」を構築し、Webブラウザで実行可能な「Jupyter Lab」導入により、Pythonや機械学習などの教育研修を加速させました。また、研修後も引き続き「MI-Hub」での研究開発を行うことができ、COVID-19の影響で出社が難しい中でも「MI-Hub」を使用したMIの予測・探索により、従来数年かかるところを半年程度に短縮した開発を実現しています。さらには、MIを活用する研究者の部門を超えたコミュニティも生まれ、切磋琢磨し、支え合う風土が醸成されつつあります。

BLUE Plastics
~リサイクル品が選ばれる未来に向けて~

使用済みプラスチックリサイクルにおいて、日本アイ・ビー・エム(株)のブロックチェーン技術を活用し、再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや原材料のリサイクル比率を可視化するデジタルプラットフォームの構築を目指す「Blue Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」プロジェクトを2021年5月に発足させました。再生プラスチック製品におけるリサイクル素材の使用率の表示や、リサイクルチェーンの関与企業の可視化から、消費者の行動変容の促進を目指しています。企業並びに一般消費者の使用も想定し開発しており、消費者はスマートフォンのカメラを使い、再生プラスチック製品に印字された二次元コード等を読み取ることで、ブロックチェーン技術のトレーサビリティ(追跡可能性)によって来歴を確認することが可能です。これまで追跡が困難だったリサイクルの過程を可視化することで、誰もが安心して再生プラスチックを利用できる環境の提供に取り組んでいます。

  • なお、「BLUE Plastics」プロジェクトは、上記メンバーや特定の樹脂に限定されるものではありません。今後幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定です。

デジタル技術を活用したカーボンフットプリントの見える化

原材料の採掘から製品出荷に至るまでの製品ごとのCO2排出量を示す、カーボンフットプリントの算出の取り組みを開始しました。当社グループの製品・サービスはさまざまな産業、分野で使用されているため、一部の製品で算出を行いながら、最適な仕組みや体制を検討・構築し、デジタル技術を活用したカーボンフットプリントの見える化を目指しています。製品・サービスごとに算出されたカーボンフットプリントをもとに、自社のGHG排出量削減、サプライチェーンとの協業を含めたアクションを実行していきます。

  • カーボンフットプリント算出イメージ

IPランドスケープ

知的財産情報(ビッグデータ)を事業強化、新事業の創出、M&Aなどに活用するIPランドスケープ活動を全社的に推進しており、先進的な取り組み事例が継続的に生まれ、業界のフロントランナーとして、経営者自ら本取り組みの重要性・好事例などを社内外に発信しています。
なお、2021年4月には旭化成グループのIPランドスケープを含む知財活動全体が評価され、経済産業省 特許庁が主催する「知財功労賞」経済産業大臣表彰を受賞しています。

データによるプラント保全の推進:保温材下腐食診断プロジェクト

高経年化した化学プラントでは、保温材に覆われた設備において外面から腐食する「保温材下腐食(CUI:Corrosion Under Insulation)」の管理が、保安上重要な共通課題となっています。これに対して当社グループは業界をリードし、石油化学工業協会内の賛同する化学会社から多量のCUI検査データを収集・解析することでCUIを予測するモデルを開発しました。このモデルは、各社で従来用いていたCUI予測法より高精度であることが実証により認められており、すでにプラットフォームを介して各社に公開されています。なお、当社はこの取り組みに対し、経済産業省より第4回インフラメンテナンス大賞の「優秀賞」を受賞しています。2022年度より、このCUI等の診断サービスを事業化し、普及を図ることによりプラントの信頼性向上に寄与することを目指しています。

保温材を剥離してのCUI検査例

生産現場では、AIを活用した製品検査自動化・設備異常の予知検知・IoTツールを活用した業務の高度化等を推進することで生産効率・収率が向上した成果が多数出てきます。

  • 「マテハン技術」:マテリアルハンドリング技術。原材料、仕掛品、製品などの運搬・管理を効果的に行うための技術
    「運転KH」:運転ノウハウ

データマネジメント基盤

データの発見と活用を支える基盤の構築

DXの施策を進めるためには、グループ内に存在するデータを「みつけ」、「つなぐ」ことが必要です。旭化成グループでは、ビジネスの現場がスピーディに、生き生きとDXの取り組みを実現していけるよう、グループ全体の「データマネジメント基盤」構築をスタートさせました。グループの持つ多様な事業から生まれるデータを価値の源泉とし、それらのデータを「みつける(データカタログ)」「つなぐ(データ連携)」ための仕組みを、クラウド上に構築しています。デジタル共創本部では、ビジネスの現場が生み出すデータ資源が、データ活用を通じて旭化成グループの情報資産となり、ビジネスの価値を創出できるように事業間連携を行いながら取り組んでいます。