トップメッセージ

「Care for People」「Care for Earth」の2つの視点で、
持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けてまいります。

気候変動による自然災害の多発化・甚大化や、COVID-19の影響の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた世界的な緊迫状況など、大きな問題が相次いで発生し、人類社会の持続可能性が問われています。
これに伴って生じているさまざまな変化により、いのちや健康に対する意識の高まり、働き方やくらしにおける人びとの価値観の転換、さらには新たな社会課題の表出などが起こっています。

また、気候変動対応での温室効果ガス削減の緊急性が一段と明らかになり、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが世界で加速しています。強制労働等の人権侵害をなくすための人権尊重の取り組みも急務です。
このように、持続可能な社会の実現に向けた行動の重要性は高まるばかりです。

旭化成グループは「世界の人びとのいのちとくらしに貢献する」をグループミッションとしています。私たちはその姿勢を、「Care for People, Care for Earth(人と地球の未来を想う)」という言葉で表しています。これは当社グループにとってのキーワードであり、経営を進める上で私が常に意識をしているものです。私たちは一段と重要性が高まる持続可能な社会への取り組みを、当社グループの事業を通じて「Care for People」「Care for Earth」の視点で積極的に進めてまいります。

「Care for People」では、with/afterコロナのニューノーマルにおいて、人びとが生き生きと暮らせる社会の実現への取り組みを進めます。世界で長寿高齢化が進んでいく中、新中期経営計画にて示した”Improve and save patients’ lives”の方針により、免疫・移植の周辺領域を中心とする医薬事業、重篤心肺関連疾患領域のクリティカルケア事業、製剤の安全性と生産性の向上に貢献するバイオプロセス事業など、ヘルスケア領域の事業拡大を図ります。他方、人びとが安心で快適な毎日を送れる、豊かなくらしの舞台の提供として、国内外での住宅事業の展開にも力を入れます。

「Care for Earth」では、カーボンニュートラルでサステナブルな社会の実現に向けた貢献を進めます。当社グループは、自社のGHG排出量について、2050年でのカーボンニュートラル実現を目指す、と2021年に表明しました。エネルギー使用量の削減、エネルギー低/脱炭素化、製造プロセスの革新など、さまざまな施策を行いながら、自社のGHG排出量を削減していきます。また一方で、水素関連、CO2ケミストリ、蓄エネルギー、環境配慮型住宅・建材など、当社の多様な事業・技術で、社会のGHG排出量を削減する製品の開発と提供を進めてまいります。

2022年5月、当社は創業100周年を迎えました。ステークホルダーの皆様のご理解とご協力をいただきながら、これまで挑戦を行い、社会環境の変化に応える製品やサービスの提供に努めてきました。

当社では、次の100年に一歩を踏み出すにあたり、進取の気風を改めて呼び起こし、新たなチャレンジを行っていく決意をしています。地図にない道を当社が作り、世の中に道しるべを示していく(Be a Trailblazer)、そして、「持続可能な社会への貢献」を事業で行い、「持続的な企業価値向上」を図る。そのような持続可能性(サステナビリティ)を追求してまいります。引き続き、関係各位のご理解とご支援をいただきたく、お願い申し上げます。

代表取締役社長
工藤 幸四郎