プレスリリース
既存の内装・設備を撤去したスケルトンの構造躯体
「フレーム・へーベルハウス」の試行販売開始
~構造躯体を目視できる安心感で、中古流通時のリフォーム受注に挑戦~
2016年1月26日
旭化成リフォーム株式会社
旭化成リフォーム株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:森田 敏晴)は、旭化成ホームズ株式会社が過去に供給した戸建住宅「ヘーベルハウス」を買取り、構造躯体だけのスケルトン状態にして販売するという新しいスタイルの既存住宅買取再販の試行を開始しました。当社ではこの取組みを「フレーム・ヘーベルハウス」と命名し、市場の評価を確認しながら今後事業化を検討して参ります。
今回の取組みは、頑強な鉄骨と床・壁・屋根のALCコンクリート「ヘーベル」により構成されるという「ヘーベルハウス」の特性を活かし、必要に応じて耐久性能に関わる外壁塗装と屋根防水を現在の新築と同様の30年耐用仕様に更新した上で※、内部の内装・設備(インフィル)を全て解体・撤去した構造躯体(スケルトン)状態で販売を行い、同時にオーダーメイドによるインフィル改装リフォームを請負うものです。購入者にとっては、既存住宅の耐久性能に係る構造躯体を直接目視し安心して購入できることと、内部はオーダーメイドにより好みの間取りと最新仕様の設備にできることがメリットとなります。主な対象物件は、売主が買取り販売を希望する中で、間取りが古く汎用的ではないと思われるものなどを想定しています。
既存住宅の流通活性化が住宅政策の大きな課題となっていますが、躯体性能に対する不安や、希望する間取りの住まいが見つからないことなども流通阻害の一因と考えられます。当社では、「ロングライフ住宅」の実現を目指し、耐火性、耐震性に優れ、60年超の耐用年数を実現してきた「ヘーベルハウス」ならではの試みとして、リフォーム事業の視点から中古戸建流通に挑戦し、将来の事業化を目指します。
- ※物件により、外装がメンテナンス直後である場合など新たな更新を必要としないケースも考えられます。
I.試行販売1棟目の概要
- 1.物件所在地
- 千葉県流山市西松ヶ丘 常磐線「南柏」駅 徒歩13分
- 2.敷地面積
- 33.49坪
- 3.建物概要
- 「ヘーベルハウス キュービック」(軽量鉄骨陸屋根2階建て) 築21年
- 4.建物延床面積
- 32.25坪
- 5.販売価格
- 今回の試行物件では、建物価格(外壁塗装・屋根防水を現在の新築仕様と同様の30年耐用仕様に更新済、土地・外構費用は除く)とリフォーム費用を含めて約2250万円となります。仮に同じ条件で32坪の新築の「ヘーベルハウス」を建築した場合の諸費用等を含めた総額を3000万円程度と仮定すると、約2~3割リーズナブルな価格で新築のような住まいを提供することになります。
1)建物価格:1210万円(税込)
価格に含まれるもの
- 60年耐久の「ヘーベルハウス」(内装解体済)
- 30年耐久のロングライフ塗装・屋根防水施工(新たに施工済)
- 水道、都市ガス、下水配管(既存)
- ASWパイル施工(既存)
- ※建物は点検実施済、10年保証付き
2)リフォーム費用(プラン例):1040万円(税込)
価格に含まれるもの
- 床・壁・天井・設備の内装造作工事一式
- ※旭化成リフォーム標準仕様によります。
- ※家具は含まれておりません。
3)土地価格:1427万円
4)外構費用:293万円(税込)
- ※新たに施工済、販売上は建物価格に含めます。
5)総額
上記1)+2)+3)+4)=合計 約3970万円
II.開発の背景
1.中古戸建流通の現状
中古住宅を購入する際の物件選定においては、エリア・予算とともに現況の印象が大きく影響します。特に、現況の間取りのままでは自分の生活スタイルに合わない場合、実際には大規模リフォームによる間取りの変更が可能な場合でも、既存の間取りの影響で新たな間取りをイメージできず、購入をためらう一因となることが考えられます。実際、当社の既存「へーベルハウス(ストックへーベルハウス)」をご購入いただいたお客様の多くが購入後にリフォームを実施していますが、その多くは既存の間取りのまま設備や内装を更新するにとどまっています。
一般的にも、中古住戸を買取った上で購入者の要望に応じたオーダーメイドによりインフィルのリフォームを請負工事とする買取再販事業がマンション分野では既に普及しつつありますが、戸建分野での試みはまだほとんど見られないのが現状です。
2.リフォーム会社の発想から中古戸建流通に取組む工夫
2014度の住宅市場動向調査(国土交通省)によると、中古住宅を購入した人の理由は「予算的に手頃」「リフォームで快適に住める」などが、中古住宅を購入しなかった人では「新築の方が気持ち良い」「隠れた不具合が心配」などがあがっています。これより、品質が確保されていれば新築にはこだわらず、中古住宅を購入しリフォームして住替える顧客層の存在がうかがえます。
- 2014年度 住宅市場動向調査(国土交通省)より上位項目にて図を作成
今回の試行は、不動産流通事業者ではなくリフォーム事業者ならではの発想からスタートしました。既存の間取りの影響を受けないよう事前にインフィルを撤去し、構造躯体の状態を直接目視で確認した上で、その躯体によって実現できるお客様の暮らしを提案することで、買主には「新築に比べ割安でありながらも、新築同様の自由度・満足度・安心感を持って住める」ことが、売主には、本来は新築注文住宅を志向するお客様にまで購入者層を広げられることがメリットになると考え、本試行のスキームを検討しました。
III.旭化成リフォームの強み
中古住宅と新築商品の躯体が共通
「ヘーベルハウス」は、創業以来一貫してALCコンクリート「ヘーベル」を外壁や床に用いた長期耐用住宅を提供し続けてきたため、中古住宅でも基本的な構造躯体は現在の新築商品と共通しており、品質の安定したリフォーム工事が容易にできます。また、建物オーナーが代わっても「邸別カルテ」と呼ばれる一軒一軒の建物維持管理記録が引き継がれ、60年のロングライフプログラムに沿ったアフターサービスなども継続して適用されますので、中古購入者にも安心してお住まいいただくことができます。
「ヘーベルハウス」のアフターサービス事業的な側面を持つ旭化成リフォームは、通常業務の巡回訪問など日頃から「ヘーベルハウス」のオーナーとの繋がりが強く、住替え・売却の要望をつかみやすい立場にあることも強みとなります。今後は、グループ全体での協働も含めて幅広く検討を進め、住まいの売主・買主双方にとってのワンストップの相談役を目指して参ります。
以上