プレスリリース
~築63年・日本初の分譲マンション「宮益坂ビルディング」~
大規模再開発が進む渋谷駅前エリアで建替えへ
2016年2月9日
旭化成不動産レジデンス株式会社
旭化成不動産レジデンス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:渡辺 衛男)は、日本初の分譲マンションと言われる「宮益坂ビルディング」(渋谷区)の建替え事業(マンション建替法組合施行)に事業協力者・参加組合員として参画していますが、入居者の退去など着工に向けての準備がほぼ終了しましたのでお知らせします。
宮益坂ビルディングは「渋谷ヒカリエ」に隣接する都心の一等地に位置し、区分所有法が制定(1962年・昭和37年)される以前の1953年(昭和28年)に東京都が分譲した、わが国の分譲マンションの先駆けとも言える地上11階地下1階建ての建物です。2基のエレベーター(当初はエレベーターガールが操作)、セントラル方式による暖房、ビル内の交換手による電話、ダストシュート、メールシュートなど当時の最先端設備を備えた超高級住宅として注目され、多くの家族が居住しました。
当初は1階が店舗、2~4階が事務所、5階以上が住宅として分譲されましたが、渋谷の街の変化とともに住宅部分の事務所化・賃貸化が進み、近年は区分所有者がほとんど居住していない状況となっていました。建物の高経年化に伴い外壁や給排水管などの老朽化が深刻化する中、約25年前から「宮益坂ビルを考える会」などによる建替えの検討が始まっていましたが、複合用途建物であることやほとんどが賃貸利用だったことによる合意形成活動の難しさ、借地権や共用部の名義残り問題など複雑な権利関係の整理などのため、建替え決議成立までに長い年月を要しました。
2011年に当社が事業協力者に選定され、2012年に建替え決議が成立、今春には権利変換手続き後に解体着手する予定となりました。
都市部には、本件のように立地条件に恵まれながらも建替え検討が難航している高経年マンションが少なからず存在し、分譲マンションの誕生から60年余を経た現在、建替え時期を迎えるマンションはますます増えると思われます。今後も当社では、このような難易度の高いマンション建替えケースも含め、街の再生に尽力して参ります。
Ⅰ.従前建物と従後建物概要
- 所在地
- 東京都渋谷区渋谷2-19-4
- 区分所有者数
- 82人(法人を含む、共有は1人で計上)
- 敷地面積
- 1317m2
- 建替え事業手法
- マンション建替法組合施工
- 建替え決議等
- 区分所有法第62条に基づく建替え決議
- 建替え経緯
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- 2003年
- 建替え決議成立 (現在の計画とは全く異なる事業計画)
- 2007年
- 全区分所有者が東京都から底地権を購入
(この頃までにほとんどの賃貸区画を定期借家契約に) - 2008年
- 建替え計画が一旦白紙化
- 2011年
- 事業協力者再募集で旭化成不動産レジデンス(当時:旭化成ホームズ)を選定
- 2012年3月
- 建替え決議成立
- 2013年8月
- 建替組合設立認可
- 2015年
- マンション建替法容積緩和の適用を検討→敷地条件などから適用を断念
- 2016年春
- 解体工事着手(予定)
- 2019年
- 竣工(予定)
- 再建後建物の概要
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建替え後は1階に店舗、2~4階に事務所(一部店舗)を併設した地上15階地下2階建ての複合用途型マンションに生まれ変わります。再開発事業が進み活気あふれる渋谷の街で、生まれ変わる宮益坂ビルディングがその活性化に貢献することを願う区分所有者の皆さんの気持ちに応えられるよう、2019年の竣工を目指して引き続き事業を進めて参ります。
宮益坂側から見た完成予想外観
- ※2016年1月時点のイメージパース
Ⅱ.当社の建替え実績
当社が手掛けるマンション建替え事業としては、このプロジェクトが25件目の着工となります。
以上