プレスリリース

ZOLL Medical CorporationによるイスラエルKyma社の買収契約締結について

2015年9月17日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:浅野 敏雄)のグループ会社であるZOLL Medical Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Richard A. Packer、以下:「ZOLL社」)は、鬱血性心不全※1)の初期兆候に対する革新的なモニタリング製品の技術開発を行うイスラエルの医療機器メーカー、Kyma(キーマ)Medical Technologies, Ltd.,(本社:イスラエル・テルアビブ市、社長兼CEO:Murali Srivathsa、以下:「Kyma社」)を約35百万米ドルで買収する契約を本年9月16日(イスラエル時間)にKyma社と締結しましたのでお知らせいたします。

Kyma社は、高周波を用いて肺水分量の変化を検知・モニタリングできる技術を独自開発している企業です。肺水分量の変化は心原性肺水腫※2)の1つの兆候を示すことがあります。これまで心原性肺水腫の検知には、患者の体重変化や身体の動き、患者自身による報告といった間接的な観測に頼っていました。これに対し、Kyma社が開発した製品は、肺水分量を直接測定することで信頼性の高い心疾患早期検知を可能にするもので、不完全にしか検知できない間接測定法に代わる競争力の高い製品といえます。
今回の買収によりZOLL社には、心停止・鬱血性心不全などのリスクを抱える患者の初期兆候を把握する技術が追加されます。また、Kyma社の技術がZOLL社の心臓遠隔モニタリング技術をさらに充実させるとともに、将来的には、Kyma社の技術との融合によりZOLL社の「LifeVest」の機能向上も期待されています。さらに、ZOLL社の販売網を通じてKyma社の技術を一層浸透させていくことも可能になります。
なお、Kyma社はZOLL社の中核事業である「LifeVest」事業の一部門としてテルアビブ市にて事業を継続します。

ZOLL社は、今後も包括的な製品ラインアップを充実させることで、迅速な救命救急治療の実現に取り組んでいきます。

  • ※1)心臓の血液を送るポンプ機能が低下して肺や末梢の組織にむくみが生じ、息苦しく感じる病気。肺のむくみ(肺水腫)による呼吸困難が主な症状。
  • ※2)肺胞に水がたまりスムーズに呼吸できなくなる状態。肺水腫の原因は、重い肺炎や敗血症、膵臓炎などさまざまですが、最も多いケースは心臓弁膜症や心筋梗塞などの心疾患であり、とくに心臓の病気が原因となっている場合は心原性肺水腫と呼ばれています。

Kyma Medical Technologies, Ltd.,の概要

設立
2008年
所在地
イスラエル・テルアビブ市
社長兼CEO
Murali Srivathsa
事業内容
心疾患関連の患者モニタリング技術の開発

以上