プレスリリース

旭化成建材(株)の杭工事施工物件における不具合等について

2015年10月20日
旭化成株式会社

この度、旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:浅野 敏雄)の建材事業を担当する子会社の旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田 富弘、以下「旭化成建材」)が、三井住友建設株式会社様(元請)の下請け業者(二次下請)として施工した横浜市所在のマンション(以下、「当該物件」)における杭工事の一部について、旭化成建材の施工の不具合および施工報告書の施工データの転用・加筆・改変があったことが判明しました。
居住者様をはじめ関係各位の皆様方のご信頼を損なう結果となりましたことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。

当社は、10月14日付で調査委員会を発足させ、原因の究明と再発防止にあたっております。また旭化成建材は、当該物件の調査および建物の補強・改修工事等に要する費用についてはその全額を負担することにしております。居住者様の安全の確保を最優先に、行政当局のご指導の下、売主(三井不動産レジデンシャル株式会社)様、施工会社(三井住友建設株式会社)様と協力の上、しかるべき対応を行ってまいります。また、建替えとなった場合は、売主様および施工会社様と費用負担に関する協議を改めて行います。

1.今回の経緯

9月24日
施工会社様より当該物件の杭工事の電流計データ転用のご指摘
10月9日
売主様と施工会社様による居住者の皆様への説明開始
10月14日
「旭化成建材の施工物件による施工不具合および杭工事施工報告書のデータの転用・加筆について」を開示
10月16日
「旭化成建材の杭工事施工物件でのその後の調査結果について」を開示

2.問題の概要

  • (1)杭工事の施工不具合
    旭化成建材が施工した当該物件の杭のうち、現時点では6本が支持層に未到達、2本が支持層に到達しているものの支持層への差込が不十分であると推定されること。
  • (2)電流計データの転用・加筆
    施工した杭、計473本のうち、38本に関し、施工報告書において杭が支持層に到達したことを示す電流計データで、データの転用および加筆があったことが判明。
  • (3)根固めセメントミルクの流量計データの転用・改変
    施工した杭、計473本のうち、45本に関し、施工報告書において杭先端を根固めするセメントミルクの流量計データで、データの転用および改変があったことが判明。
    施工報告書においてデータに不備があった杭は上記(2)(3)を合わせ、重複(13本)を除くと計70本となります。

3.原因究明と今後の対応について

  • (1)対策本部の設置
    10月19日付で、当社代表取締役社長浅野 敏雄を本部長とする対策本部を設置しました。居住者様の安全の確保を最優先に考え、誠心誠意対応していくとともに、今後の当社グループのコンプライアンス体制の見直しとその徹底を図ってまいります。
  • (2)調査委員会による調査
    当社代表取締役副社長執行役員の平居 正仁を委員長とし、弊社の法務・コンプライアンスメンバー、施工技術メンバー、および弁護士2名からなる10名の調査委員会を10月14日付で発足しました。当該物件における杭工事の事実関係の調査、杭の安全性調査、原因の究明、今後の再発防止策に関する検討を開始しました。調査結果については外部調査委員会の検証をふまえ年内を目処に公表する予定です。
  • (3)外部調査委員会の設置
    当該物件の居住者様からのご要請もふまえ、当社と利害関係のない弁護士をメンバーとする外部調査委員会を早急に設置する予定です。外部調査委員会では、①調査委員会による調査結果の検証、②事実関係の調査(施工報告書の施工データ等の調査および関係者への聴取を含む)、③本件の原因分析、④再発防止策の提言などを実施いたします。外部調査委員会の調査結果については、しかるべき時期に公表する予定です。

4.他物件の対応について

調査委員会にて、過去約10年間の既製コンクリート杭工事の施工データを収集し、データ転用等の有無を調査してまいります。また、さらに詳細調査が必要な物件に関しましては、個別に対応を検討してまいります。なお、調査に関しましては、外部調査委員会のご意見ご助言を得ながら進め、万一、建物の安全性に問題がある事象が判明した場合には、すみやかに必要とされる措置を講じてまいります。
居住者の皆様をはじめ関係各位の皆様方に重ねて心よりお詫びを申し上げるとともに、今後の再発防止と信頼回復に努めてまいります。

※別途説明資料を添付します。

以上