プレスリリース
新規慢性疼痛治療薬のライセンス契約締結について
2016年4月1日
旭化成ファーマ株式会社
Array BioPharma Incorporated (米国コロラド州ボルダー市、CEO: Ron Squarer、以下、「アレイバイオファーマ」)と旭化成ファーマ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:堀一良、以下、「旭化成ファーマ」)はアレイバイオファーマが開発しているTropomyosin receptor kinase A 阻害薬(以下、TrkA阻害薬)の、癌を除くすべての疾患を対象とした日本、韓国、台湾、中国での開発権および独占的販売権を旭化成ファーマが取得するライセンス契約を3月31日に締結しましたのでお知らせします。
旭化成ファーマは、「ロコモティブシンドローム※1」の課題解決を高齢化が進む社会で取り組むべき重要なテーマと位置付けており、慢性疼痛の研究開発も重点領域の一つです。今回のTrkA阻害薬の権利取得はこの領域での拡大戦略の一環です。
TrkAは、神経成長因子(NGF)の受容体であり、痛みを伝える神経に多く発現しています。NGFによるTrkAの刺激は、様々な慢性疼痛の発生要因になっていると考えられています。アレイバイオファーマは独自の創薬技術でTrkAに選択的な阻害薬を見出すことを可能にし、開発候補化合物のARRY-954を取得しました。ARRY-954は、疼痛動物モデルにて優れた疼痛抑制作用を有することが確認されています。旭化成ファーマは変形性膝関節症に伴う痛み、腰背部痛などの慢性疼痛を適応症とするARRY-954の開発を前臨床試験※2より開始します。
今回の合意により、旭化成ファーマがTrkA阻害薬の開発・販売権を取得することとなり、慢性疼痛の治療に新たな選択肢を提供できるものと期待しております。
- ※1ロコモティブシンドローム
- 運動器(骨、関節、椎間板、筋肉など)の障害のために移動機能の低下をきたした状態。進行すると要介護になるリスクが高くなる。
- ※2前臨床試験
- 新薬開発の段階で、人を対象とする臨床試験の前に行う試験。動物を使って有効性・安全性を調べる非臨床試験。
アレイバイオファーマ
1998年に米国コロラド州に設立されたバイオ製薬企業です。癌領域を中心に多くの開発品目を創出しており、現在3つの抗がん剤プログラムが第Ⅲ相試験中です。
以上