プレスリリース

旭化成顧問の永原 肇が「平成30年度文部科学大臣表彰 科学技術賞」を受賞

2018年4月10日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「旭化成」)は、このたび「ナイロン原料用シクロヘキセン製造技術の開発」の業績を評価され、顧問の永原 肇(ながはら はじめ)が、文部科学省が主催する科学技術分野の文部科学大臣表彰にて、「平成30年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞しましたのでお知らせします。

シクロヘキセンはシクロヘキサノールを経てナイロンなど多くの化学工業製品の中間原料となります。従来のシクロヘキサノール製造法の多くは、シクロヘキサンの空気酸化法であり、副生物を抑制するために転化率が低くなる、処理廃棄物が多い、などの問題点がありました。これに対し本開発では、ベンゼンの部分水素化反応により高収率でシクロヘキセンを製造する技術を実現するとともに、新規なルテニウム触媒および亜鉛化合物からなる助触媒の発明と多岐にわたるプロセス開発により、世界初となる工業化に成功しました。

本開発によりシクロヘキサノール製造プロセスは省資源、省エネルギー、無公害プロセスを実現し、従来のシクロヘキサンの空気酸化法と比べ、収率、エネルギー使用量、安全性、要処理廃棄物量など、多くの点で優れています。

本開発の成果として、旭化成では1990年に水島製造所において年産6万トンのプラントを稼働開始し、その後増設を経て2018年現在、年産17万トンの生産能力で稼働を継続しています。自動車の軽量化、あるいは安全性確保の要請から拡大する旭化成のナイロン樹脂および繊維事業の拡大に貢献しています。

以上