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標準化対応試薬グリコアルブミンキット「ルシカ®GA-L2」の販売開始について

2022年2月21日
旭化成ファーマ株式会社

旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:青木 喜和、以下「当社」)は、グリコアルブミン1)測定試薬の新製品「ルシカ®GA-L2」の販売を本年3月1日より開始しますので、お知らせします。
当社は糖尿病の血糖コントロールに有用なマーカーとしてグリコアルブミンに着目し、当社オリジナルの酵素を用いて自動分析装置用測定試薬として「ルシカ®GA-L」を開発し、国内ならびに海外への展開を進めてきました。日本では2002年、中国では2005年に承認を取得し、その後、韓国(2013年)、台湾(2015年)、欧州(2015年)で販売パートナーが承認を取得し、米国においては、2017年10月に認可を取得し販売を開始しています。
国内ならびに海外での測定が増加する中で、日本臨床化学会の糖尿病関連指標専門委員会では、JCCRM611-12)を標準物質としたグリコアルブミンの標準化3)が進められています。今回、この標準化対応のため、JCCRM611-1を基準物質に設定し、さらに測定値の正確性を向上させた「ルシカ®GA-L2」を開発しました。当社試験におきまして「ルシカ®GA-L2」は「ルシカ®GA-L」測定値とも良好な相関を得られることから、今後「ルシカ®GA-L」から「ルシカ®GA-L2」への置き換えを推進し、測定法の国際標準化に対応していきます。
当社は、「ルシカ®GA-L2」が国内ならびに海外でのグリコアルブミン測定試薬の標準化に寄与することでグリコアルブミン測定が普及し、糖尿病の治療に貢献できるものと期待しています。
なお、「ルシカ®GA-L2」は、積水メディカル株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社、ミナリスメディカル株式会社を通じて販売します。

販売名
ルシカ®GA-L2(試薬構成:GA R-1,GA R-2,ALB R-1,ALB R-2)
GA-L2キャリブレーター4)L,H
GA-L2管理試料L,H
測定原理
GA試薬:酵素法、ALB試薬:改良BCP法
保険点数
55点(令和2年 厚生労働省告示第57号)
認証番号
303AAEZX00025000
製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
販売元
積水メディカル株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社、ミナリスメディカル株式会社

  • 1)グリコアルブミン
    アルブミンに糖が結合した物質をグリコアルブミンといいます。血糖値が低い状態が続けば低下し、高い状態が続けば上昇します。
  • 2)JCCRM611-1
    グリコアルブミン測定用として、日本臨床化学会勧告法にもとづきグリコアルブミン値(mmol/mol)を確定した標準物質であり、日常検査法による血清(血漿)中のグリコアルブミンを測定する際の標準として用います。一般社団法人 検査医学標準物質機構(ReCCS)より製造販売されています。
  • 3)標準化
    臨床検査の普及、分析機器・試薬の広域化などにより、国内はもとより国際的に比較可能な形で検査値が得られることが求められています。標準化とは、検査項目ごとに標準物質・標準測定法を定め、検査項目の測定値を揃えることを促進する活動のことです。標準物質の測定値にトレーサブルな測定試薬を流通させることは、その重要な活動の一つです。
  • 4)キャリブレータ—
    あらかじめ濃度が規定されており、日常検査において測定機器あるいは測定システムの校正に用いる検量物質のことです。血清(血漿)中のグリコアルブミン測定値を決める、物差しの役割を果たします。

  • 「ルシカ®GA-L2」製品写真
    「ルシカ®GA-L2」製品写真

以上