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次世代長時間作用型のGLP-2アナログペプチド「apraglutide」に関する独占的ライセンス契約締結について

2022年3月31日
旭化成ファーマ株式会社

旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:青木 喜和、以下「旭化成ファーマ」)は、このたび、VectivBio Holding AG(本社:スイス・バーゼル市、CEO:Luca Santarelli、以下「VectivBio」)との間で、次世代長時間作用型のGLP-2アナログペプチド「apraglutide」の、日本における独占的開発権および販売権に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

天然型GLP-2は、小腸粘膜維持や消化吸収の促進などさまざまな作用で腸管機能の恒常性に寄与するペプチドです。天然型GLP-2アナログの「apraglutide」は、合理的に設計された合成ペプチドであり、より長い半減期で天然型と同様の作用を発揮することが期待されています。現在、短腸症候群1)患者を対象とした第3相試験が日本を含めた複数の国と地域で実施されています。今後、ステロイド耐性の急性移植片対宿主病2)に伴う消化管障害を有する患者を対象にした臨床試験も実施される予定です。

今回の契約締結により、旭化成ファーマはVectivBioより「apraglutide」の日本における独占的開発権および販売権を獲得し、VectivBioに対して、契約一時金および今後の開発進展等に応じたマイルストーンを合わせて最大で230億円、さらに日本での売上に応じて二桁料率のロイヤルティーを支払うことになります。

旭化成ファーマは、「ひとりひとりの “いのち” に真摯に寄り添い、豊かなアイデアと確かなサイエンスで、アンメットメディカルニーズを解決する」というミッションのもと、本開発を通じて短腸症候群および移植片対宿主病の患者さんに対して新たな治療の選択肢を提供することで、「病気を理由に、やりたいことを諦める人を、ゼロにする」社会を目指してまいります。

VectivBioについて

VectivBioは、重度の希少疾患を持つ患者さんの生活の変革と改善に焦点を当てた、臨床ステージの開発品目を有するグローバル・バイオテクノロジー企業であり、GLP-2が中心的役割を果たすさまざまな希少消化器疾患向けに主要製品候補である「apraglutide」の開発を進めています。詳細はホームページをご参照ください。

  • 1)短腸症候群
    短腸症候群は、小腸の大量切除に起因する吸収不良の状態です。多くの患者さんで水分や栄養を経口以外の方法で補助する必要があります。
  • 2)移植片対宿主病
    移植片対宿主病は、ドナー(臓器提供者)由来の細胞が患者さんの体を他人と認識して攻撃する、同種造血細胞移植を受けた患者さんで多く見られる合併症です。消化管障害や肝障害などを引き起こす可能性があります。

以上