当社延岡支社における低濃度PCB含有機器の誤廃棄について
2023年2月14日
旭化成株式会社
当社延岡支社(宮崎県延岡市)において、PCB(ポリ塩化ビフェニル)含有絶縁油を含む機器1セットを誤って廃棄していたことが判明しました。調査の結果、誤廃棄した機器に含まれていたPCBの総量が微量であること、および解体・分別された後に処理・管理されていることから、環境への影響はほぼ無いものと考えております。
関係者の皆さまにご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
1. 経緯
当社延岡支社の延岡変電所(愛宕地区内)の機器老朽化更新工事において、機器更新後に不要になった機器の撤去をする際、「低濃度PCB含有機器※1」1セットを変電所内に保管すべきところ、2022年6月に誤って廃棄していたことが同年12月1日に判明しました。
- ※1低濃度PCB含有機器とは、PCB濃度が0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のもの
誤廃棄した機器は以下の通りです。
- (1)機器名称と数
- 計器用変流器(略称CT※2)1セット
- ※2計器用変流器(CT)とは、大電流を計測しやすい電流値に変換し計測する機器のこと
- (2)PCB量
PCBは計器用変流器内の絶縁油に含有されていました。
- 機器内部の絶縁油量:240L
- 絶縁油のPCB量:0.31g(絶縁油のPCB濃度:約 1.5mg/kg)
このため、同年12月5日に宮崎県への報告をおこない、県からの指導のもと原因調査のうえ、2023年2月9日に県へ最終報告しました。なお、本件判明後、当社は国内にある全事業所・工場を対象に調査しましたが、同様の事象はございませんでした。
2. 誤廃棄した機器の追跡調査結果
当社において調査を行った結果、誤廃棄した機器は、解体された後、以下3つに分別され処理されていました。いずれの処理においても、環境への影響がほぼ無いものと考えられる状況になっていることを確認しております。
- (1)絶縁油
産業廃棄物として外部で処理された後、他の廃油と混合し再生燃料として使用されているため、燃焼によって無害化されていると考えられます。
- (2)機器本体(鉄部分)
撤去工事を請け負った会社が鉄スクラップとして処分しております。絶縁油を抜き取った後に処分されているため、付着していたPCBは極微量と考えられ、鉄は高温で溶解されているため無害化されていると考えられます。
- (3)機器本体(鉄以外の部分)
鉄以外の部分は主に碍子(がいし)で構成されています。絶縁油を抜き取った後に処分されているため、付着していたPCBは極微量と考えられ、廃棄用蓋付きドラム缶に収納され、管理型最終処分場に埋立処理されていることを確認しております。
3. 原因と対策
- (1)原因
- 撤去工事着手時に工事図面および低濃度PCB含有機器の現物確認が不十分でした。
- 撤去機器の搬出時に確認が不十分でした。
- (2)対策
- 撤去工事着工時に当社と施工企業で、低濃度PCB含有機器の現物確認を行い、加えて撤去機器搬出時に低濃度PCB含有機器が正規の保管場所に保管されていることを必ず確認するよう徹底します。
- 工事図面に関しては工事管理責任者と工事管理者のダブルチェックを徹底します。
以上