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旭化成グループのCelgardがC4Vと高性能・高電圧リチウムイオン電池の開発に関する戦略的提携契約を締結

2023年3月1日
旭化成株式会社

旭化成グループ傘下でありPolypore International, LP(本社:米国ノースカロライナ州、以下「Polypore」)の子会社であるCelgard, LLC(以下「Celgard」)は、リチウムイオン電池(LIB)のテクノロジー企業であるC4V(本社:米国ニューヨーク州、以下「C4V」)と、このたび次世代の高性能・高電圧電池セルの開発に向けた戦略的提携契約を締結いたしました。

両社は、この契約のもとでC4Vの高電圧バイオミネラル化リン酸金属リチウム(BM-LMP)正極材料に適したLIBセパレータの開発を行います。この提携は、バッテリー業界の主要なニーズに対応するソリューションを市場に提供することをめざすC4Vの「サプライチェーンパートナープログラム」の一環となります。 Celgardは、すでに同プログラムの認定メンバーとなっていますが、今後開発されるCelgardの革新的なセパレータも同プログラムに参加するメンバーのギガ・ファクトリーで利用可能となり、2030年に向けて計画されている150GWh超のセル製造拠点で使用される可能性があります。これらの製造拠点は米国、インド、オーストラリアにありますが、その他の地域でも新たな拠点の展開が進められています。

Celgardにおいて、電気自動車(EDV)とエネルギー貯蔵システム(ESS)事業を担当するバイスプレジデントのステファン・ライナルツは、次のようにコメントしています。
「テクノロジーリーダーであるC4Vと提携し、Celgardの乾式セパレータを改良してBM-LMP電池セルの革新的なソリューションをともに開発できることを光栄に思っています。C4Vは、精緻な電池製造プロセスを短期間で軌道に乗せることができますが、この提携によって、価格を抑えた高エネルギー出力セルを顧客に提供するための技術革新への道が拓かれると考えています。」

C4Vの電池セル製造フランチャイズは、同じ技術とサプライヤーを利用することで外部環境や地域的な混乱の影響を抑えてOEMが電池セルを確実に調達できるようになるという特徴があります。旭化成は、このフランチャイズにおけるプラスチックや難燃・耐熱素材へのニーズに対して、グローバルに展開するさまざまな製造拠点を通じて支援する可能性を検討します。

C4VのフランチャイズによるBM-LMP電池セル製造は2022年8月に開始されました。既存のフランチャイズ3拠点は、2030年までに合計10カ所のギガ・ファクトリーへと拡大される見込みです。BM-LMP高電圧電池セルは、長いサイクル寿命と急速充電を実現し、熱暴走で生じるリスクを低減する一方で、コバルトやニッケル原料を使用しないため、これらの原料供給の不確実性を軽減します。

 

CelgardとPolyporeについて

Celgardは、LIBの主要部材の1つであるセパレータとして使用される、製造工程で溶剤を使用しない、塗工・無塗工の乾式微多孔膜を専門としています。Celgardのバッテリーセパレータ技術は、電気自動車やエネルギー貯蔵システム等の用途で、LIBの性能上重要な役割を果たしています。Celgardは、旭化成グループのPolypore の100%子会社です。
Polyporeは、世界9か国に拠点を有するグローバル企業であり、電気自動車、ガソリン車、エネルギー貯蔵システム、その他の特殊用途で使用される微多孔膜の製造・開発・販売に特化した事業活動を行っています。
両社の詳細については以下URLをご参照ください。

C4Vについて

C4Vは、LIBテクノロジー企業であり、電池性能の最適化とエンドツーエンドのギガ・ファクトリー設計の極めて重要な専門性を有しています。C4Vによる新技術の開拓は、電池寿命と充電性能を大幅に向上させてきました。また、C4Vのギガ・ファクトリー設計技術は、新興国における安定した国内製造エコシステムの迅速な展開を可能にします。C4Vは業界をリードする原材料、消耗品、機器のサプライチェーンパートナーと連携し、最適化された電池を市場に投入しています。また、革新的なエネルギー貯蔵技術で、世界的な電動化への移行を加速させています。
C4Vの詳細については以下URLをご参照ください。

以上