女性の健康と人生を支える、新しい骨ケアのかたち 旭化成ファーマ発ヘルスケアベンチャー「Hers HeAlth Technologies Inc.」を設立
2025年5月23日
旭化成ファーマ株式会社
Hers HeAlth Technologies Inc.
旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:青木 喜和、以下「当社」)は、当社初のヘルスケアベンチャーとして、Hers HeAlth Technologies Inc.(ハーズ・ヘルス・テクノロジーズ株式会社)(以下「Hers HeAlth」)を設立したことをお知らせいたします。
Hers HeAlthは、2024年に当社が発表した骨密度検査を希望する方と、検査を受け入れている医療機関をマッチングするWebサービス「メディカルほねチェック」※1の実証を契機としたスピンアウト型新規事業を運営します。骨の健康に関心を寄せる生活者と医療機関をつなぎ、骨粗鬆症による骨折を予防することをはじめとして、女性のQOL(生活の質)向上、健康寿命の延伸、そして医療費抑制など社会課題の解決に幅広く寄与する事業展開を目的としています。
新会社の概要
- 社名:Hers HeAlth Technologies Inc.
- 設立日:2025年5月23日
- 代表者名:大黒 聡(旭化成ファーマより出向)
- 住所:東京都千代田区神田須田町2-3-12
- 事業内容:骨を中心とした公的医療保険外のヘルスケアサービス
- 事業立ち上げのスキーム:Co-Studioとの連携による出島型新会社として設立
設立の背景:「メディカルほねチェック」から見出されたニーズ
当社では健康経営の一環として「DXA(骨密度)検査)」補助制度を2020年より導入しました。検査を受けた38~64歳の女性110名の大腿骨の骨密度を解析した結果、約25%の女性に著しい骨密度低下=骨粗鬆症のリスクが見られました。さらに、検査を受ける際の検査予約の難しさなど課題も浮き彫りとなり、より身近に骨の健康を確認できる仕組みづくりの必要性を見出したことから、Webサービス「メディカルほねチェック」を開発し、2024年6月より実証実験を開始。骨粗鬆症検査における生活者と医療機関双方のニーズが確認できたため、さらなる事業拡大を目指すこととなりました。また、Co-Studioが持つ出島型新規事業スキーム「Co-DEZIMA」※2を活用し、企業から生みだされる新事業の、柔軟かつ迅速な社会実装を目指します。
新会社に込めた想い:すべての女性が自分らしく年齢を重ねるために
Hers HeAlthは、「Your Life. あなたらしい人生を。」をブランドステートメントに掲げています。健康課題解決にとどまらず、「Hers=彼女たち」が、年齢を重ねても自分らしく、健康で、美しく生きられる未来の社会をつくるために、“骨”という土台から支えたい、という思いが込められています。
また、旭化成は創業以来、時代の要請やニーズに応えて積極的に事業ポートフォリオを転換し、社会の問題に対して、製品やサービスの提供を通じて解決策を示してきました。社会の変化を先取りして挑戦し、そして自らも変化してきた旭化成の歩みを体現するという決意を込めてAsahi Kaseiの頭文字「大文字A」を社名に取り入れました。
新会社の設立意義:骨の健康は、女性の人生と未来の社会を支える基盤
骨粗鬆症は女性に多い健康課題であり、姿勢や見た目だけでなく、キャリアの継続やQOL(生活の質)にも大きな影響を与えます。特に大腿骨の骨折は、本人の生存率や生活に深刻な影響を及ぼすだけでなく、ご家族や医療・介護現場にも大きな負担となり、年間約2~4兆円の経済的損失※3,4が生じているとも言われています。
医療の進歩により検査や治療手段は増えましたが、骨折する人は依然として増加傾向にあります。これは、骨粗鬆症の“予防”や“早期ケア”が十分に社会に根付いていないことを意味しています。
Hers HeAlthは、医療と日常生活の間にある“見過ごされがちな課題”に向き合い、「骨のケア」を起点とした新しいアプローチで、女性の健康と美しさ、そして持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
各社コメント
- Hers HeAlth Technologies Inc. 代表取締役 大黒 聡 コメント
- 女性の健康課題は、日々の暮らしの中で誰もが向き合っているにもかかわらず、日本では未だ十分な光が当てられていない領域だと感じています。私自身、当社での経験を通じて得た知見を礎に、医療と日常の“すき間”にある見過ごされがちな問題に目を向け、新しい形のヘルスケアモデルを社会に届けていきたいと考えています。そして何よりも、私たちが目指すのは“健康そのもの”ではなく、その先にある『自分らしく生きる人生』の実現です。同じ想いを抱く仲間とともに、業界の枠を超えて手を取り合い、一人でも多くの方の人生をより輝かせられるよう、新たなヘルスケアモデルの実現に向けて真摯に取り組んでまいります。
- 旭化成ファーマ株式会社 代表取締役社長 青木 喜和 コメント
- 当社は、“病気を理由に、やりたいことを諦める人を、ゼロにする”というビジョンを掲げ、患者さんを中心に据えた医薬品の研究開発・製造販売事業の取り組みを通じ、社会へ貢献することをミッションとしております。Hers HeAlthは、これまでの『メディカルほねチェック』の実証を通じて見えてきた社会的なアンメットニーズに応える事業を展開していきます。従来の当社の枠を越えた、“はみだせ!うみだせ!旭化成”のスローガンを体現する取り組みです。Hers HeAlthが、日常生活と医療の間に取り残された課題に取り組み、両者の架け橋としての役割を担い、社会へ貢献することを期待しています。
- Co-Studio株式会社 代表取締役 澤田 真賢 コメント
- Hers HeAlthは、私たちCo-Studioが展開する『Co-DEZIMA』スキームにおける第3号案件であり、企業を超えて社会実装を進める出島型事業創出のモデルケースです。今回、旭化成ファーマ様とともに、ヘルスケア領域における本質的な課題に対し、起業的アプローチで挑戦できることを心から誇りに思います。大黒氏をはじめとする現場の実行者と共に、誰もが安心して年齢を重ねられる未来の礎を築いてまいります。
- ※1 「メディカルほねチェック」とは
骨の健康が気になる生活者と、骨の検査が受診可能な医療機関をマッチングし、検査の予約から結果の受け取りまでが可能なWebサービスです。過去の取り組みはこちら - ※2 Co-Studio株式会社が企業の新規事業創出を支援するサービスの名称
- ※3 日本では年間約12万人の大腿骨近位部骨折が新規発生しており、大腿骨近位部骨折に関わる年間の医療・介護費用は約7千~8千億円と推計されている。 出典)原田敦ほか. 日老医誌 2005; 42(6): 596-608
- ※4 骨折・転倒を要因とする介護サービス負担は2018年には1.9~2.8兆円、その中でも家族による介護負担は0.8-1.7兆円と報告されている。 出典)ミリマン・インク 日本における骨折による介護負担とその推移‐官庁統計を用いた分析
以上