• プレスリリース

IgA腎症治療剤「Nefecon」の2025年版KDIGOガイドラインへの掲載について

本プレスリリースは、当社に関する最新情報を報道関係者、株主・投資家の皆さまへ提供することを目的としたものであり、プロモーションや広告、医学的なアドバイスを目的とするものではありません。

2025年11月4日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎 、以下「当社」)は、IgA腎症治療剤「Nefecon」(一般名:ブデソニド、米国販売名:TARPEYO(タルペーヨ))が、2025年版KDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)IgA腎症およびIgA血管炎の管理に関する国際ガイドライン※1(以下「本ガイドライン」)において、IgA腎症治療の推奨薬として掲載されたことをお知らせします。
Nefeconは、2024年に当社グループに参画したスウェーデン製薬企業Calliditas社が、TARPEYOの販売名で米国にて製造販売しております。
本ガイドラインは腎疾患領域における国際的な基準として幅広く認知されており、IgA腎症含む多くの腎疾患領域の治療方針に大きな影響を与えるものです。

本ガイドラインにおいて、進行性腎機能障害のリスクを有するIgA腎症患者さんに対し、9カ月間のNefeconによる治療が推奨されました。これは、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(NefIgArd試験)において、腎機能障害の進行抑制およびたんぱく尿の減少が示された結果に基づくものです※2,3。さらに、本ガイドラインでは、Nefeconが、疾患の原因となる糖鎖異常IgAを減少させることが確認されている唯一のIgA腎症治療薬である点についても触れられています※1,4

旭化成株式会社 ヘルスケア領域長 四ノ宮 健のコメント
「Nefeconが2025年版KDIGOガイドラインで推奨薬として掲載されたことは、治療における本剤の位置づけを外部から認められたことを意味します。また、Nefeconは疾患の原因となる糖鎖異常IgAを減少させることが示された初めてかつ唯一のIgA腎症治療剤であり、KDIGOガイドラインが現在推奨する包括的治療アプローチにおいて重要な役割を担うことが期待されています。」

旭化成グループでは、2025年度からスタートした『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』において、医薬事業を「重点成長」事業と位置付けており、Nefeconはその主力製品です。本ガイドラインへの掲載は、IgA腎症治療におけるNefeconの有用性を裏付けるものであり、持続的な成長をさらに後押しすることが期待されます。今後も医薬事業、ライフサイエンス事業、クリティカルケア事業でそれぞれ成長を続け、“Improve and save patients’ lives”のミッションのもと、アンメットニーズを満たす革新的な医薬や医療機器の提供で人びとの命に貢献し、旭化成グループのさらなる成長を目指していきます。

「Nefecon」について

Nefeconは、コルチコステロイドの一種であるブデソニドを有効成分とする標的放出型経口製剤であり、回腸末端のpH環境で溶解するよう設計されています。各カプセルには、ブデソニドを含むコーティングビーズが配合されており、回腸に存在する粘膜B細胞、特にIgA腎症の原因となる糖鎖異常IgAに該当する、ガラクトース欠損IgA1抗体(Gd-IgA1)を産生するパイエル板を標的としています。
Nefeconの承認状況、適応症、販売状況は国・地域によって異なります。米国では、当社子会社であるCalliditas社によりTARPEYO®という製品名で販売しており、欧州経済領域(EEA)ではSTADA Arzneimittel AG社が販売を担っています。アジアでは、中国本土、香港、マカオ、台湾、シンガポールなどの国・地域においてEverest Medicines社が販売を行っており、日本国内では承認されておりません。したがって、本リリースは報道関係者、株主・投資家の皆さまへの情報提供のみを目的としており、開発品を含むいかなる医療用医薬品の提供、勧誘、または販売促進を企図するものではありません。そのため、日本における効能や治療効果に関する記載は一切含まれておりません。

NeflgArd 試験について

NefIgArd試験は、原発性IgA腎症患者(N=364)を対象に、レニン-アンジオテンシン系RAS阻害薬(RASi)療法に加えて、Nefecon 16mgを1日1回投与した場合の有効性と安全性を評価するために実施された、グローバル第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です。患者は1:1の比率で、Nefecon(16mg/日)またはプラセボを9か月間経口投与され、その後15カ月間の観察期間に移行しました。
主要な有効性評価項目は、2年間にわたるeGFR(推算糸球体濾過量)の時間加重平均値でした。この評価において、Nefecon群はプラセボ群と比較して統計的に有意な治療効果を示しました(差:5.05 mL/min/1.73m²[95%信頼区間:3.24~7.38]、p<0.0001)。UPCR(尿中タンパク/クレアチニン比)の平均減少率は、治療終了時(9か月)で35%、12か月時点で52%、治療終了後15か月(24か月時点)でも34%の減少が確認されました。
Nefecon投与患者において、最も多く報告された副作用(発現率が5%以上かつプラセボより2%以上高いもの)は以下の通りです:末梢性浮腫(17%)、高血圧(12%)、筋痙攣(12%)、にきび(11%)、頭痛(10%)、上気道感染(8%)、顔面浮腫(8%)、体重増加(7%)、消化不良(7%)、皮膚炎(6%)、関節痛(6%)、白血球数増加(6%)。

IgA腎症について

IgA腎症は稀で進行性かつ慢性的な免疫介在性疾患です。この疾患は、ガラクトース欠損IgA1(Gd-IgA1)が自己抗体によって認識され、IgA1を含む免疫複合体が形成され、腎臓の糸球体メサンギウムに沈着することで発症します。この沈着により徐々に腎機能障害を引き起こし、最終的には末期腎不全に至る可能性があります。
IgA腎症は、主に10代後半から30代後半にかけて発症することが多いとされています。

参考資料

  • ※1 Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO). KDIGO 2025 Clinical Practice Guideline for the Management of Immunoglobulin A Nephropathy (IgAN) and Immunoglobulin A Vasculitis (IgAV). Kidney Int. 2025 Oct;108(4S):S1-S71.
  • ※2 Lafayette R, et al. Lancet. 2023;402(10405):859-870.
  • ※3 TARPEYO. Prescribing information. Calliditas Therapeutics AB; 2024.
  • ※4 Khan, I, et al. #2642 Effects of Nefecon on hits 1, 2, and 3 of the pathogenic cascade of IgA nephropathy: a full NefIgArd analysis. Nephrol Dial Tranplant. 2025 Oct 21; 40 (Supplement 3): Presented at ERA 2025, Vienna, Austria.

以上