ドイツの医薬品開発企業Aicurisの買収を完了
2026年4月20日
旭化成株式会社
Veloxis Pharmaceuticals, Inc.
- Aicurisの3つの抗ウイルス薬パイプラインにより、当社の重症感染症領域の医薬品ポートフォリオを強化
- Aicurisの売上高は、2030年度に5億米ドル規模に達する見込み
- Aicurisの成長ドライバーであるpritelivirは、今月、米国食品医薬品局(FDA)より新薬承認申請(NDA)に対し、優先審査(Priority Review)が付与。PDUFA(処方薬ユーザーフィー法)に基づく審査目標日は、2026年第4四半期(暦年)と設定
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、ドイツの医薬品開発企業である Aicuris Anti-infective Cures AG(本社:ドイツ・ヴッパータール、CEO:Larry Edwards、以下「Aicuris(アイキュリス)」)の買収が完了したことをお知らせします。
当社グループは、2025年度からスタートした 中期経営計画 2027 ~Trailblaze Together ~』において、医薬事業を、中期的な利益成長に向けて積極的な投資を進める 「重点成長」事業と位置付けています。本買収により、当社の医薬事業は、重症感染症における開発パイプラインの獲得を通じて、グローバルスペシャリティファーマとしての成長基盤をいっそう強固なものにします。
1. Aicurisの製品・パイプラインと成長ドライバーであるpritelivirの開発状況
Aicurisは、重症感染症領域において、導出済み製品を含む3つの抗ウイルス薬パイプラインを有しています。これには、上市済みで安定したロイヤルティー収入が得られるPrevymis®、国際第Ⅲ相試験で主要評価項目を達成し、2026年度、米国で承認を目指すpritelivir、ならびに中長期的な成長に貢献するパイプラインであるAIC468を含んでいます。
中でも成長ドライバーと位置づけているpritelivirについては、今月、米国食品医薬品局(FDA)より新薬承認申請(NDA)に対する優先審査(Priority Review)が付与されました。PDUFA(処方薬ユーザーフィー法)に基づく審査目標日は、2026年第4四半期(暦年)と設定されています。
- (参考)Aicuris Receives FDA Priority Review for Pritelivir NDA and Presents New Phase 3 Data at ESCMID 2026
2. 本買収による収益見通し
導出済みのPrevymis®については、契約期間内において、今後も売上水準に応じ、年間1億~2億米ドル程度の安定的なロイヤルティー収入を見込んでいます。
pritelivirは、免疫不全患者のHSV※1治療において、米国における推定患者数約15,000人に対する二次治療を対象とし、処方シェア70%を獲得することを目標としています。同剤は2030年代中盤以降で4億米ドル超のピーク売上高を見込んでいます。
また、AIC468は、腎移植および造血幹細胞移植患者におけるBKウイルス感染症を対象に開発中です。潜在的な市場規模は10億米ドル以上と推定され、中長期的な成長機会を有するパイプラインと位置付けています。
これらの導出済みの製品およびパイプラインの状況から、Aicurisの売上高は、2030年度に5億米ドル※2に達すると見込んでおり、のれん等償却後営業利益は2028年度に黒字化の見込みです。
当社は、Aicurisの事業について、移植医療分野で確かな実績を有する米国子会社Veloxis Pharmaceuticals, Inc.傘下で推進してまいります。当社の医薬事業が有する移植免疫学における専門性、研究開発力、ならびに確立された営業基盤を活かし、Aicurisのパイプライン開発および商業化を加速することで早期の収益貢献を目指します。
- ※1 HSV:Herpes Simplex Virus(単純ヘルペスウイルス)
- ※2 第Ⅰ相試験段階であるAIC468は含まない
- 旭化成株式会社 ヘルスケア領域長 四ノ宮 健 コメント
- Aicurisの買収は、当社が注力する医薬事業の成長戦略に沿った取り組みです。重症感染症領域は、今後も高い医療ニーズと持続的な成長が見込まれる分野であり、本買収は当社の医薬品ポートフォリオを強化する重要な一歩と考えています。Aicurisが有する有望なアセットや研究開発基盤を当社グループに取り込むことで、グローバルスペシャリティファーマとしての事業のさらなる基盤強化につなげていきます。
- Veloxis Pharmaceuticals, Inc. CEO Stacy Wheeler(ステイシー・ウィーラー) コメント
- Aicurisが有する重症感染症における知見と、Veloxisの移植医療に特化した研究開発および営業基盤を融合させることで、免疫不全患者に対する新たな治療選択肢の提供を目指していきます。
- (ご参考)当社グループの事業ポートフォリオ変革について
- 当社は『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』のもと、資本効率の改善と投資成果創出による利益成長を目指しています。この方針に基づき、ベストオーナー視点での改革や他社連携も含めた事業構造転換と経営資源の再配分を進めています。さらに、成長分野と位置づけた事業へのさらなる投資を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。
以上
