旭化成グループの環境貢献製品
「環境貢献製品」による社会のGHG排出量削減などへの貢献
当社グループは、技術・製品・サービスの提供を通じて、社会全体のGHG排出量削減などに貢献することを目指しています。その取り組みとして、製品やサービスのライフサイクル全体で、GHG排出量削減、資源循環、水資源保全などの環境負荷の低減に貢献するものを「環境貢献製品」と定義し、開発・提供を進めています。
目標と実績
当社グループは、環境貢献製品を通じたGHG削減貢献量を定量的に把握し、その拡大を目標として掲げています。具体的には、GHG削減貢献量を2020年度比で2030年度に2倍以上、2035年度に2.5倍以上にするという目標です。2026年8月時点で27の製品を環境貢献製品として認定しており、2025年度GHG削減貢献量は2020年度比1.55倍となりました。今後も、研究開発や事業を通じて環境貢献に取り組んでいきます。
GHG削減貢献量の推移と目標(2020年度を100としたときの指数)
2025年度GHG削減貢献量の参考値:約2,010万t-CO2e※
- ※GHG削減貢献量は、製品ごとに設定したベースラインや寄与率などの前提条件に基づき算定しています。当参考値は各製品の貢献量の単純合計値であり、他社比較を目的としたものではありません。
評価・認定の考え方
環境貢献製品は、原材料採取から製造、流通、使用、処分に至るまで、ライフサイクル全体を対象に評価しています。評価にあたっては、市場における標準品や当社の従来製品(ベースライン)と比較し、ライフサイクル全体で主要な環境負荷が低減され、重大な負荷増加がないことを確認します。環境貢献製品の環境貢献量は、当社が策定した「環境貢献製品に関するガイドライン」に基づき、日本LCA学会、日本化学工業協会、経済産業省、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)などが公表する各種ガイドラインを参照して算定しています。算定にあたっては、国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発したLCA(ライフサイクルアセスメント)データベース「AIST-IDEA」などの外部データベースを活用しています。各事業から提案された製品は、外部有識者によるLCAレビューパネルで環境貢献の妥当性を確認した上で、社内認定しています。
LCAレビューパネル(2026年5月29日実施)
- 委員長
- 内田 裕之 氏 (株式会社みずほ銀行 総合研究所 プリンシパル)
- 委員
- 松田 圭悟 氏 (名古屋大学 教授)
小林 謙介 氏 (県立広島大学 教授)

LCAレビューパネルでは、各製品の担当者が環境貢献の内容を説明し、外部有識者から比較対象(ベースライン)の設定や評価・算定の考え方についてコメントや助言を受けています。評価プロセスの透明性および信頼性の向上を目的として、外部有識者を交えて運営しています。
LCAレビューパネル 委員長 内田 裕之 氏
(株式会社みずほ銀行 総合研究所 プリンシパル)
民間市場および政策の双方において、脱炭素の推進と産業競争力の強化を両立させる取り組みが進展しています。
こうした中、GHG削減貢献量/環境貢献製品に対する社会的関心も一層高まっています。一方で、削減貢献量の算定方法や開示内容に誤りや不透明さがある場合、その影響は一企業にとどまらず、削減貢献量という取り組み全体の信頼性にも及ぶものと考えます。旭化成グループでは、主要なガイドラインに基づく算定を行うとともに、社外有識者によるレビューを実施するなど、客観性・透明性の確保に努められています。
これにより、高い水準の情報開示を維持している点は、国内企業における先進的な取り組みとして評価いたします。今後も適切な算定と透明性の高い開示に取り組まれることで、削減貢献量の信頼性向上および社会実装の促進に向けて、産業界を牽引する役割を果たされることを期待いたします。
※外部有識者コメントとして掲載、役職などは掲載当時

環境貢献製品の紹介
- 環境貢献製品の説明資料
当社グループの環境貢献製品の製品概要や環境貢献ポイントについてまとめています。
- 環境貢献製品の算定事例
当社グループでは、原料採取から製品の処分に至るまで、ライフサイクル全体で環境負荷の低減に貢献する製品の開発・提供に取り組んでいます。現在、以下の27製品を認定しています。
- 当社グループの事業・製品を見る
環境貢献製品を含む、当社グループの事業および製品・サービスをご紹介しています。
環境貢献分野と環境価値
| 環境貢献分野 | 主な環境価値 |
| 気候変動 | 省エネルギー・省電力、再生可能エネルギー・電動化、CO2/炭素循環活用 |
| 資源循環・省資源 | リサイクル、再生材・バイオマス由来材活用、軽量化・小型化、長寿命化・修繕性向上、廃棄物削減 |
| 水資源 | 水使用削減、水リサイクル、水浄化、水環境改善 |
| 生物多様性 | 生態系保全、土地利用・自然資本への影響低減、生物影響低減 |
| 環境汚染防止 | VOC(揮発性有機化合物)・溶剤削減、有害物質不使用、排出物・副生成物削減、汚染防止 |
モバイル機器用カメラモジュール向けIC※1
スマートフォンカメラの手振れ補正機能を
1チップに統合した制御IC
資源循環・省資源
機能統合により部品数と基板面積を削減し、
資源使用量の低減に貢献
ホール素子・ホールIC(家庭用エアコン部材)
モーター制御に用いられる
磁気検出用半導体センサー
気候変動
高精度な磁気検出によりインバーター制御を支え、
家庭用エアコンの省エネ化に貢献
人工皮革「Dinamica®」
自動車内装や家具に使用される高機能人工皮革
資源循環・省資源
リサイクルPETの
活用を促進
環境汚染防止
水系ポリウレタンの
利用により溶剤使用ゼロ化
リチウムイオン電池セパレータ
「ハイポア™/Cergard®」
電動車用リチウムイオン電池に
使用されるセパレータ
気候変動
電池性能の向上を通じて電動車の普及を支え、
走行時のGHG排出量削減に貢献
OPSフィルム「エコループ®」
封筒窓などに用いられるリサイクル原料使用の
OPS(二軸延伸ポリスチレン)フィルム
資源循環・省資源
再生ポリスチレンを高比率で使用し、
バージン樹脂使用量の削減に貢献
変性PPE「ザイロン™」(太陽電池部材)
太陽光発電システムの絶縁部材に用いられる
エンジニアリングプラスチック
気候変動
太陽光発電システムの
高効率化に貢献
資源循環・省資源
高電圧化により部材点数を
削減
変性PPE「ザイロン™」(車載二次電池部材)
車載電池の構造部材に用いられる
エンジニアリングプラスチック
気候変動
軽量化により電動車の
省エネに貢献
資源循環・省資源
低比重化により
材料使用量を削減
ポリプロピレン複合材料
「Thermylene®」
自動車部品等に使用される
ポリプロピレン(PP)
資源循環・省資源
リサイクルPPの活用により、
バージン由来樹脂使用量の削減に貢献
ジメチルカーボネート製造プロセス
CO₂を原料としてジメチルカーボネートを
製造する技術
気候変動
他工程から排出されるCO₂を原料として活用した
化学品製造を通じて、GHG排出量削減に貢献
アジピン酸製造プロセス
樹脂原料であるアジピン酸を製造する
化学プロセス
気候変動
副生するN₂O
(一酸化二窒素)を
高効率で分解
資源循環・省資源
プロセスの高効率化により
原料使用量を削減
低燃費タイヤ用合成ゴム(S-SBR)
「タフデン®/アサプレン®」
タイヤの低燃費性能を向上させる合成ゴム
気候変動
転がり抵抗の低減により自動車の燃費向上に寄与し、
走行時のGHG排出量削減に貢献
戸建住宅「ヘーベルハウス™」
低層集合住宅「ヘーベルメゾン™」
長寿命かつ省エネルギー性を備えた住宅
資源循環・省資源
長寿命化により
資源消費を抑制
気候変動
高断熱化により
エネルギー使用量を削減
- ※1写真はレンズ制御ICが内蔵されたスマートフォン用カメラモジュール
- ※2写真はTCXO(温度補償型水晶発振器)用ICが形成されたウェハー
次期環境貢献候補製品
当社グループでは、将来の環境貢献製品となりうる研究開発段階等の技術や製品を「次期環境貢献候補製品」と位置づけ、早期から環境貢献の可能性やGHG削減貢献量などを評価・可視化する取り組みを行っています。
研究開発段階からLCAの視点を導入することで、設計・素材選定・プロセス構築の各段階における環境影響を定量的に把握し、上市後の円滑な認定や環境貢献の拡大につなげることを目指しています。
CNFコンポジット(3Dプリンター材料)
セルロースナノファイバー(CNF)を用いた
3Dプリンター材料
資源循環・省資源
バイオマス由来のCNFを活用したリサイクル可能な
材料設計により、材料の再資源化と化石資源由来材料の
使用抑制に貢献
CO₂分離回収技術(バイオメタン)
ガス中に含まれるCO₂を選択的に回収・除去
気候変動
バイオガス精製に適用することで天然ガス代替として
期待されるバイオメタンへアップグレード


