社会活動
方針
旭化成グループでは、操業地域において、地域社会と良好な関係を築き、地域の発展に寄与することは企業の社会的責任であると捉えています。地域の文化を十分に理解し、地域社会の皆様とのコミュニケーションを深め、地域の発展に資することを目指します。
当社グループの事業を基点として、地域の雇用創出や調達を通じて、地域活性化に貢献するとともに、その地域の課題解決につながる活動を展開していくことをグループ全体の方針とします。また、地域交流会や工場見学の受け入れ、地域貢献活動等を通じて、地域社会の皆様に当社の事業や取り組みへのご理解をいただくとともに、いただいた声を経営に活かしていきます。
マネジメント体制
工場周辺地域とのコミュニケーションに関しては、当社グループの各製造地区の総務・事務部門が中心となり、定期的な地域交流会や工場見学等の開催運営を行っています。
工場見学の受け入れ
当社グループでは、事業活動および環境安全への取り組みについて理解していただくために、工場見学を実施しています(実施していない工場もあります)。
※2021年度は、新型コロナウイルス感染が拡大している状況に鑑み、工場見学を中止としました(写真は2019年度の様子です)。
- 工場見学(鈴鹿製造所)
- 研究所見学(富士支社)
生産拠点周辺の地域の皆様との対話
当社グループの主要生産地区では、地域の自治会などを通じた地域住民の皆様との懇談や、体育館・グラウンド・駐車場などの施設の開放、イベントの開催などで、対話と交流を行っています。
- 近隣自治会への環境説明会(守山製造所)
- 環境ボランティア・花植栽(鈴鹿製造所)
- 「男女共同参画授業」への参加(富士支社)
- 地域消防への防災対象設備の説明会(大分地区)
- 「職業体験フェア」への参加(大仁地区)
- 工場周辺美化活動(富士支社)
NPO法人の次世代教育を支援
2009年より当社OB会の会員有志が学業支援ボランティア「はげまし隊」を組織し、宮崎県延岡市の中学生に対し、数学・理科の学業支援を開始しました。2012年にはNPO法人化し、現在も規模を拡大して活動を続けています。当社はNPO法人「学校支援のべおかはげまし隊」を支援しています。
「学校支援のべおかはげまし隊」の活動
方針
旭化成グループでは、社会を構成する一員としての責任を果たすべく、以下を社会貢献活動方針に掲げ、活動を展開しています。この方針に基づき、「次世代育成」「環境との共生」「文化・芸術・スポーツ振興」の3つの分野を中心とした支援を通じて、当社の事業に関わる地域やステークホルダーとの共存共栄を図っていきます。
- 1.旭化成グループの経営資源である人財と技術を有効に活用し、旭化成として特色ある活動を展開します。
- 2.目的と効果を常に意識し、より価値のある活動を心掛けます。
- 3.従業員の参画意識を醸成するとともに、一人ひとりの自主的な活動を支援・促進します。
社会貢献活動実績
当社グループは、従業員の積極的な社会貢献活動への参加を支援するとともに、日本経団連の「1%(ワン・パーセント)クラブ」に参加し、毎年、社会貢献活動関連の支出額(換算値※を含む)を実績として報告しています。2021年度の総寄付金額(コミュニティ投資額を含む)は14億89万円でした。
- ※「1%クラブ」が実施する社会貢献活動実績調査の調査方法に基づき、当社グループ全体の活動実績を金額換算したもの。
社会貢献活動関連支出の推移
次世代育成
出前授業(講師派遣事業)などの実施
当社グループは、小・中・高校生の皆さんに科学技術への関心と理解を深めていただくため、従業員が講師を務めて、学校もしくは当社工場内で授業を行い、理科・科学や環境に関する実験学習を行っています。また、職業講話、課題解決学習などのキャリア教育も行い、職場訪問学習も受け入れています。
2021年度は延べ44校、4231名の児童・生徒の皆さんが受講しました。
※2020年度は、新型コロナウイルス感染が拡大している状況に鑑み、大幅に規模を縮小して実施しました(写真は2019年度の様子です)。
- 静岡県富士市
- 静岡県伊豆の国市
- 滋賀県守山市
- 宮崎県延岡市
- 宮崎県延岡市
- 宮崎県延岡市
日本科学未来館・パートナーシップ企業としての活動
当社グループは、2008年度より、東京・お台場の日本科学未来館のパートナーシップ企業として、子どもたちをはじめとする多くの皆様の科学への興味を共に育んでいます。
これまでに、このパートナーシップ制度を活用し、未来館主催の展示会における展示協力、実験教室開催にあたっての製品協賛等の協力、友の会会員などを対象としたイベントの実施などを行っています。
日本科学未来館
新聞社が実施する、科学・環境学習関連企画への協賛
当社グループは、新聞社が主催する、子どもたちを対象とした科学・環境学習関連の企画に協賛しています。
日本学生科学賞
中・高校生の理科教育の充実を目的として、読売新聞社が主催している『日本学生科学賞』に、2021年度も単独協賛し、「旭化成賞」を授与しました。
表彰式は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けオンラインにて開催されました。
当社社長(当時)の小堀秀毅による「旭化成賞」 中学の部 受賞校・表彰の様子
地球教室
朝日新聞社が企画・運営する小学生対象の環境学習イベント『地球教室』に、2021年度も協賛しました。希望する全国の小学校等に配布される環境学習テキストの編集協力や、省エネの取り組みをテーマにした小学校での出前授業の実施、小学生の親子を対象とした環境イベントへの講師派遣などを行いました。
- 環境イベントへの講師派遣(オンライン)のもよう(写真提供 朝日新聞社)
- 「地球教室」オンラインでの出前授業のもよう(写真提供 朝日新聞社)
理工系女性人材育成への支援活動
当社は、内閣府が展開している理工系女性人材育成の推進活動「理工チャレンジ」キャンペーンの一環として、理工系を志望する女子高校生を対象としたイベントを実施しました。この「理工チャレンジ」は、女子学生の理工系選択やその分野での活躍を支援するための取り組みとして、内閣府、文部科学省、日本経団連(女性の活躍推進委員会)がタイアップし推進しているもので、当社もこの趣旨に賛同し、初年度より協力しています。
※2021年度は、新型コロナウイルス感染が拡大している状況に鑑み、オンラインにて実施しました(写真は2019年度の様子です)。
- 透過型電子顕微鏡での回析を学習
- 女性研究員との交流会
旭化成奨学生制度
当社グループは、新分野を開拓し科学技術の向上に寄与する人材を育成するため、奨学生制度を設けています。
大学院修士課程、博士課程ならびに6年制大学に在籍している方を対象に、化学・化学工学・機械・土木・建築・制御・電気・電子・強電・物理・情報・生物・薬学・農学・医学・獣医学などを専攻する方から応募を受け付け、多数の皆様に奨学金を貸与しています。
環境との共生
「あさひの森」(宮崎県)での植林活動
宮崎県延岡市にある「あさひの森・速日の峰」で、毎年植林活動を行っていましたが、2021年度は、新型コロナウイルス感染が拡大している状況から、実施を見送りました(写真は2019年度の様子です)。
文化・芸術・スポーツ振興
企業スポーツを通じての社会貢献
当社グループの企業スポーツ部(陸上部、柔道部)は、オリンピック競技大会にのべ50名近い従業員を代表選手として送り出し、輝かしい成績を残しています。さらに、陸上や柔道に関わる社会貢献活動にも積極的に取り組み、主に練習拠点を置く宮崎県延岡市周辺で陸上トラック長距離走の記録会「ゴールデンゲームズinのべおか」などの陸上・柔道関係のイベント運営に協力し、子ども向けの陸上・柔道教室を開催するなど、スポーツ振興に貢献しています。
また2020年2月19日にはドイツ・デュッセルドルフ市で、柔道教室「Asahi Kasei Judo Workshop」を開催し、柔道部の4名が講師を務め、現地の小学生、柔道経験者らが参加しました。このような社会貢献活動で子どもたちと触れ合う時間は、当社の選手たちにとっても、気持ちを新たにし、地域との交流を深める貴重な機会となっています。
2021年度の「ゴールデンゲームズinのべおか」柔道教室「Asahi Kasei Judo Workshop」は、新型コロナウイルス感染が拡大している状況に鑑み、実施を見送りました(写真は2019年度の様子です)。
- ゴールデンゲームズinのべおか
- Asahi kasei Judo Workshop(ドイツ・デュッセルドルフ市)
『(公財)旭化成ひむか文化財団』の活動
『旭化成ひむか文化財団』は、当社の発祥の地、宮崎県において、地域の文化振興に資するため1985年に設立されました。以来、宮崎県内において、音楽・芸術・演劇などの文化行事の開催、地域の文化活動の支援、郷土文化への理解醸成のための活動などを行っています。
芸術鑑賞バスツアー
県内や近隣県で行われる公演を対象に、年2回芸術鑑賞バスツアーを開催しています。会場までの交通手段がない方にも、バスとチケットのセットで価格を抑えた企画を提供しており、ツアー参加者の皆様には、毎回大変好評をいただいています。
2021年度主催公演
劇団四季「The Bridge ~歌の架け橋~」
共催・協賛・後援事業
年間を通して、宮崎県北で行われる公演を中心に、公演の共同開催、支援活動や地域の人々への文化事業の開催案内等、広報部による共催・協賛・後援を行っています。
2021年度主催公演「にじいろファミリーコンサート」
被災地支援・地域防災・その他の活動
新型コロナウイルス感染症に関する支援活動
当社グループは新型コロナウイルスの感染の予防、対策にお役立ていただくため、世界各地の拠点より、各国の共同募金会や医療機関に義援金の拠出、マスク等の寄贈を行いました。
心肺蘇生および救命救急医療の研究・教育活動の支援
当社グループのZOLL Medical Corporation(ZOLL社 本社:米国マサチューセッツ州)は「The ZOLL Foundation(ゾール基金)」に対し、心肺蘇生および救命救急医療の研究・教育活動の支援として、2020年12月に1千万米ドルの寄付を実施しました。
ゾール基金は、2013年に設立した非営利の公共慈善財団で、ZOLL社とは独立して運営されています。同基金は、心肺蘇生措置の質の向上や、心筋梗塞による容体悪化の防止および救急患者の死亡率・罹患率を下げるケアの向上による生命予後の改善を目的とし、革新的な研究や若手研究者の研究・教育・啓発活動に助成金を提供し、これらの活動を支援しています。助成金の募集は、年2回、ゾール基金のウェブサイトにて実施しています。詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
津波避難タワーの建設
当社は、2013年度、宮崎県延岡市および日向市の自社敷地内に、地震時に発生する津波から避難できる場所として、津波避難タワーを2棟建設しました。敷地内で働く従業員だけでなく、地震発生時に周辺にいる一般の方々にも避難していただける収容能力を持ち、地域防災にも貢献します。
延岡市内の津波避難タワー
「ライフスポット」の設置
当社では、膜ろ過技術を活用して、深井戸の水などを高度浄化して飲用できるようにする飲料水供給システム「ライフスポット」を事業展開しており、自社内でも、守山・鈴鹿・延岡の各生産地区に設置しています。災害時にはこの「ライフスポット」から得られた飲料水を地域に供給するなど、地域の災害支援に活用できる取り組みを行っています。
「ライフスポット」(滋賀県守山市)
災害ボランティアクラブの活動
宮崎県延岡市の延岡支社では、従業員とOB・OGで組織する「災害ボランティアクラブ」が活動しています。
AED(自動体外式除細動器)訓練
献血活動の推進
当社グループは、グループ理念である「人びとの”いのち“と”くらし”に貢献する」ために、身近でできる社会貢献活動として、日本赤十字社に協力し、全国で献血活動を行っています。
本社(東京都千代田区)での献血活動は、献血量が少なくなる冬の2~3月に実施するようにしています。身近でできる社会貢献活動として、より多くの従業員の協力を得て、献血に協力していきたいと考えています。
献血活動会(東京本社)
当社は、本社地区での長年にわたる献血活動への協力と、昨年度のコロナ禍における実施に対して、日本赤十字社の「献血功労 銀枠支部長感謝状」を受章しました。
2022年1月19日、東京都赤十字血液センター所長の加藤恒生さんより、当社上席執行役員堀江俊保へ表彰状が授与されました。
当社グループでは、少子高齢化により懸念される将来的な献血不足解消のため、街頭だけでなく企業への献血協力要請を積極的に受け、各地区にて、従業員向けの献血会を実施しています。
金沢マラソンへの協賛
旭化成ゾールメディカルは、当社と共に、2021年10月31日に開催された「金沢マラソン2021」に協賛しました。金沢マラソンは、金沢の魅力を満喫できるコース設定、有名選手が務めるゲストペースランナーや、ボランティアの方々による"おもてなし"などが特徴的な市民参加型のフルマラソン大会です。
2016年以来、当社は金沢マラソンにゴールドスポンサーとして特別協賛しており、旭化成ゾールメディカルは走行コースに設置するAED(自動体外式除細動器)の提供と、大会救護ボランティアの方々への事前AED救命講習を実施しています。
大会前の同年10月29日、30日には、「金沢駅東もてなしドーム地下広場」において、AEDトレーニング機を使用した胸骨圧迫体験ブースを出展し、多くの方にご参加いただきました。
ブースでは、目の前で人が倒れた場合に取るべき一次救命処置の流れを学びながら、AEDトレーニング機とマネキン人形を用いて、適切な速さ・深さで胸骨圧迫(心臓マッサージ/CPR)を行う体験と、ZOLL Medical社製AEDとAEDトレーナーの展示コーナーを用意しました。
UNICEFへの寄付
当社は、将来世代を担う世界の子どものいのちと健康を守るUNICEFの活動に賛同し、2021年9月に、公益財団法人日本ユニセフ協会がおこなう「ユニセフ支援ギフト」を通じて、世界中の子どもたちに手洗い石けん51,000個を届けました。
「ユニセフ支援ギフト」は、ユニセフの支援物資を指定して、途上国の子どもたちにプレゼントする支援方法です。支援物資として、新型コロナウイルス感染症等拡大の予防に貢献できる、手洗い石けんを選択し、支援いたしました。
本支援内容は、2021年に実施した、当社グループ従業員対象の「サステナビリティ・フォトコンテスト※」での応募者数と応募者の意見に基づいて決定しました。
- ※サステナビリティ・フォトコンテストについて身近なところから「サステナビリティ」について考え、行動するきっかけとなる写真を「Care for People、Care for Earth」の視点で募集しました。「Care for People、Care for Earth」は、持続可能な社会に向けた当社グループの姿勢を示すものです。世界各国の当社グループの拠点から2,300点を超えるすばらしい写真作品の応募がありました。
海外グループ企業による社会貢献活動
地域の特性に合わせた活動を展開
当社グループのアメリカ・ヨーロッパ・中国・韓国・東南アジアなどにある事務所や製造拠点は、それぞれの地域の事情に配慮しながら、環境美化・清掃、福祉・教育支援、地域団体・学校への寄付などの活動を行っています。なお、当社の事業戦略上、重要拠点である欧州地域においては、産学連携強化(独アーヘン工科大学等)を積極的に行い、進出地域との共存共栄を図っています。また、2016年に旭化成ヨーロッパ、2017年に欧州R&Dセンターを設立し、現地の優秀な人財を採用しています。
アメリカ
ゾール・メディカル(救命救急医療機器メーカー)
従業員が、心臓病や脳卒中から命を救うための「ハートウォーク」(主催;アメリカ心臓協会)というチャリティイベントに毎年参加しています。
ベロキシス(製薬メーカー)
国際的な飢餓救済非営利団体であるライズ・アゲインスト・ハンガーが行うミールパッケージプログラムに従業員が参加しました。当プログラムでは、世界中の困窮する人々のために食事をパッケージ化しています。
セージ・オートモーティブインテリア
サウスカロライナ州で、「TreesUpstate」という植林イベントに参加しました。
また、地域社会に貢献するため、キャリアセンター(専門学校)において、若者が技術を学んでキャリアアップするための授業をサポートしています。
旭化成プラスチックノースアメリカ
毎年、ミシガン州リビングストン郡の高校生を受け入れ、事業所を見学してもらい、製造業が秘める可能性について紹介しています。学生たちが当社の施設を見学することで、製造業への興味を育み、将来の優秀な人財育成にも貢献しています。
また、ミシガン州のFowlerville Family Impact Centerが、プレゼントを必要としている家庭のリストを提供していますが、毎年、年末年始にそのうち4~5家族を迎え、クリスマスプレゼントや必要なものを提供しています。従業員はそのリストをもとに、おもちゃ、画材、電化製品、衣類などを寄付しています。また、子どもたちのために、年末の食事用の食料を寄付しています。
旭化成バイオプロセスアメリカ
さまざまなNPOに従業員が寄付を行うプログラムを行っています。2021年は、従業員が合計で$19,618.79を寄付しました。会社が同じ金額を寄付し、寄付金の合計は$39,237.58になりました。
タイ
旭化成プラスチックタイ
アユタヤ県内で病院等が主催するチャリティーマラソンに参加しました。
タイ旭化成スパンデックス
近隣の学校の子どもたちのために、学校に人工芝を設置するという慈善活動を行いました。
中国
旭化成電子材料(蘇州)有限公司
周辺地域の清掃活動を行っています。
ヨーロッパ
旭化成ヨーロッパ
2021年7月にドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州で大雨により大きな被害にあった被災地に合計1万ユーロを寄付しました。
2019年以降、それまで紙で送付していたクリスマスカードをデジタル版へ切り替え、それによって削減できた費用(カード購入費、輸送費等)約2,500ユーロを、恵まれない子どもたちに本や文房具等を提供する組織に寄付しました。