• プレスリリース

ZOLL Medical Corporationによるイスラエル医療機器メーカーItamar Medical Ltd.の買収について

Respicardia社買収による植え込み型神経刺激デバイスの取得に続き、睡眠時無呼吸症の領域における在宅検査・診断ソリューションを獲得、心臓病患者へのサービスを強化

2021年9月13日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)の子会社であるZOLL Medical Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Jonathan Rennert、以下「ZOLL社」)は、心臓病患者への医療に睡眠時無呼吸症の診断を加えることにフォーカスした、医療機器およびデジタルヘルスのリーディングカンパニーであるItamar Medical Ltd.(本社:イスラエル・カイザリア、President & CEO: Gilad Glick、以下「Itamar(イタマー)社」)とItamar社の全ての発行済み普通株式を総額約538百万米ドル(約592億円※1)で取得する最終合意書を締結したことをお知らせします。

1. 本買収の背景

ZOLL社は、医療機関向け除細動器および自動体外式除細動器(AED)、着用型自動除細動器「LifeVest®」等の心肺蘇生を中心とした既存事業に加え、心不全や呼吸機能障害といった心肺蘇生の周辺領域を取り込むことにより、クリティカルケア事業のさらなる拡大を目指しています。

睡眠時無呼吸症(Sleep Apnea)は主に閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea、以下「OSA」)と中枢性睡眠時無呼吸症(Central Sleep Apnea、以下「CSA」)に分類され、OSAは気道の物理的な閉塞が原因となりますが、CSAは脳内の呼吸中枢が正常に機能しないことが原因で、呼吸が障害されるものです。心血管疾患とOSAおよびCSAとの間には、複雑な相互関係があることが示されており、OSAは、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、心房細動の発症および進行の増加と関連し、一方、チェーン・ストークス呼吸を伴うCSAは、心不全や心房細動の発症を予測し、心不全患者の死亡リスクを強く予測する因子であることが報告されています。※2

ZOLL社は本年4月、CSAに対する植え込み型神経刺激デバイス「remedē® System」の製造・販売を行う米国の医療機器メーカーRespicardia, Inc.を買収しており、この領域への展開を進めています。

参考

2. Itamar社の概要

Itamar社は、呼吸器系睡眠障害の検査・診断を支援する非侵襲的な医療機器およびソリューションの開発と販売における主導的地位を確立しております。同社は、患者と医療従事者のための革新的な睡眠時無呼吸症診断プログラムを開発しました。本製品はFDA(米国食品医薬品局)の認可を受けており、自宅でできる安全で効果的な睡眠時無呼吸症の検査方法として使用されています。

Itamar Medical Ltd.の概要

設立
1997年
本社
イスラエル・カイザリア
President & CEO
Gilad Glick
事業内容
睡眠時無呼吸症診断製品群等の開発・製造・販売
従業員数
約280名

3. 本買収の目的

ZOLL社のCEOであるJonathan Rennertは次のように述べています。「ZOLL社は、深刻な心肺疾患に苦しみ、十分な治療を受けられていない患者さんの転帰を改善することに尽力しています。現在、心血管疾患患者の60%が何らかの睡眠時無呼吸症を患っており、これらの患者さんの大部分が診断されていない状態と推定されています。※3 Itamar社が加わることで、より多くの患者さんに睡眠呼吸障害の診断と治療を提供できるようになることを期待しています。私たちは、心臓と睡眠の医療の世界の連携強化に貢献できることを楽しみにしています。」

Itamar社のPresident and CEOであるGilad Glickは次のように述べています。「循環器内科医とその患者さんのニーズに応えるリーダーであるZOLL社とともに活動できることをうれしく思います。Itamar社のテクノロジーと睡眠時無呼吸症向けのデジタルヘルスソリューションがZOLL社に統合されることで、未診断および未治療の患者さんのために在宅睡眠医療を推進するという我々の使命が加速されます。」

4. 今後の流れ

ZOLL社によるItamar社の買収は、Itamar社の株主による承認、規制当局による承認、その他の通常の取引完了条件を前提としています。一般的な規制当局や株主の承認期間を想定した場合、本買収は2021年末までに完了すると見込んでいます。

買収が完了した後も、Itamar社の主要事業は、イスラエル・カイザリアにある現在の拠点において、研究開発センター、デジタルヘルス技術センター、生産センターを含め継続される予定です。

以上