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旭化成ヨーロッパがISCC PLUS認証に関する共同プロジェクトへ参加

2022年10月11日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)の欧州統括拠点である旭化成ヨーロッパ(所在地:ドイツ・デュッセルドルフ市、代表者:西澤 明)は、オランダのCircularise B.V.および丸紅株式会社が主催する、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証※1に関する共同プロジェクト(以下「本プロジェクト」)に参加しました。

1. 背景

当社グループは、「Care for Earth」の観点から「カーボンニュートラルでサステナブルな世界の実現」を目指しており、バイオマス原料やリサイクル材、再生可能エネルギーの使用などの取り組みに注力しています。また、当社グループは、これらの取り組みで獲得した製品のサステナビリティ特性について、顧客ニーズに応じた認証の取得を進めています。
ISCC PLUS認証は、世界的な認証制度の一つであり、バイオマス原料やリサイクル材などの原材料から最終製品までのサプライチェーンをマスバランス管理で繋ぎ、最終製品におけるサステナビリティ特性を消費者まで保証するものです。今後、製品におけるサステナビリティ特性の獲得が重視されていく中、認証に関する信頼性や認証取得時の効率性も一段と必要とされると考えており、その実現に貢献するとともに、認証に関する知見を深めるため、旭化成ヨーロッパは本プロジェクトに参加しました。

2. 本プロジェクトの取り組み

本プロジェクトには、Circularise B.Vの他、当社を含む化学メーカー、商社、家電メーカーなど、サプライチェーンの上流から下流の10社が参加しました。本プロジェクトでは、ISCC PLUS認証のマスバランス管理をCircularise B.V.のシステム上で運営し、10社がサプライチェーンの流れに従ってデータを投入することで、サステナビリティやトレーサビリティの信頼性を消費者に伝えるまでの有効性について、テストを行いました。

3. 本プロジェクトの成果

本プロジェクトの参加者は、ISCC PLUS認証を受けるために必要なデータや持続可能性に関するデータを、Circularise B.V.のブロックチェーンシステムを用いて共有しました。その結果、システムを利用することによる効率性に加え、データがサプライチェーンの上流から下流に伝達される上での秘密保持性、マスバランス管理の適切性、データの書き換えができないことによる信頼性などが、ブロックチェーン技術により担保されることを確認しました。

4. 今後の取り組み

当社グループは、カーボンニュートラルを始めとする世界の共通課題には、自社だけでなく、各社・団体等と協力しながら解決に取り組むことが重要であると考えています。当社グループは本プロジェクトでの成果を踏まえ、他社との協働を深化させながら、『中期経営計画 2024 ~Be a Trailblazer~』にもとづき、サステナビリティ特性を有する製品・サービスの提供をより進めることで、社会や顧客からの期待に応えてまいります。

5.旭化成ヨーロッパ社長 西澤 明コメント

当社は、事業を通じて持続可能な社会に貢献することを目指しています。プラスチック、繊維、合成ゴム等のサプライヤーである当社にとって、ISCC PLUS認証のマスバランス方式は、サステナビリティ戦略を進める上で今後重要なものとなります。現在、当社の多くの製品が多くの労力と時間をかけてISCC PLUS認証を取得中です。本プロジェクトに参加したことで、持続可能な社会を実現するためには効率的な認証プロセスが必要であり、デジタル技術が大きな役割を果たすことが分かりました。

  • ※1 ISCC(International Sustainability and Carbon Certification、国際持続可能性カーボン認証)PLUS認証:
    ISCC認証は持続可能性および炭素に関する国際認証であり、その中でISCC PLUSは全世界に販売される主にバイオベースや再生由来等の原料や製品について、サプライチェーン上で管理・担保する認証制度です。
  • ※2 マスバランス方式:
    複数の種類の原料(例:バイオマス原料等と化石燃料由来の原料など)により製品を製造した際に、特定の材料(例:バイオマス原料等)の投入量に応じ、製品の一部にその特性全てを割り当てる方式。ISCC PLUSシステムで採用されている管理方式です。
  • ※3 ブロックチェーン:
    「分散型台帳」と呼ばれるIT技術です。全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術で、関係者全員がアクセス可能でありながらデータ改ざんが不可であるため、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保します。
  • ※4 2021年11月24日リリース
  • ※5 2022年1月21日リリース

以上