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旭化成、欧州における食塩電解セルレンタルサービスの実証を開始

サーキュラーエコノミーと顧客負担の軽減に貢献

2023年12月5日
旭化成株式会社

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、欧州最大級のクロールアルカリ※1企業であるNobian GmbH(本社:ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州、CEO:Michael Koenig、以下「Nobian社」)、欧州で6カ国10カ所以上の物流拠点を持つLOGISTEED Europe B.V.(本社:オランダ ヘルダーラント州、Managing Director:平野 利一郎、以下「LOGISTEED Europe社」)とともに、欧州における食塩電解セルレンタルサービスの実証を開始することをお知らせします。

  • セル交換のイメージ図
    セル交換のイメージ図

1. 当社の交換膜事業について

当社のイオン交換膜法食塩電解プロセスは1975年に販売を開始して以来、45年以上にわたる実績とワンストップで供給できる食塩電解プロセス技術の幅広さにより、お客さまから高い信頼を得ています。クロールアルカリの2022年の世界需要は約1億トン※2であり、そのうち当社は全世界で30か国、150工場以上(2023年11月現在)で採用され、その累積受注量は3,000万トン(100%苛性ソーダベース)を超えるグローバルな実績のあるサプライヤーです。
イオン交換膜法食塩電解プロセスとは、イオン交換膜を使用して食塩水を電気分解し、塩素、水素および苛性ソーダを生産するシステムです。このプロセスは、水銀やアスベストなどを使用するプロセスに比べ、省エネルギーである点が高く評価されています。当社の高い技術力を活かした低電圧膜と電解槽の組み合わせは、電解プロセスにおける電力消費量を減らすことで、CO2排出量の低減に貢献しています。

2. 食塩電解セルレンタルサービスについて

近年、電池・電子部品向けの需要拡大やウクライナ情勢の影響を受け、食塩電解セルに用いられる貴金属の価格は高騰傾向にあります。また、今後の水電解の普及に伴い、この傾向が継続・加速すると予測しています。このような市場環境において、限りある貴金属資源をどう有効活用していくかという課題にクロールアルカリ業界は直面しています。この課題に対し、当社は貴金属および金属のサーキュラーエコノミー実現の第1歩として、Nobian社・LOGISTEED Europe社とともに、欧州におけるセルレンタルサービスの実証を開始するに至りました。
これまで、当社の食塩電解プロセスのユーザーは、自身が所有する電解セルを補修する際に、電解セルを長期間補修拠点に預けておかなければなりませんでした。これにより、生産ロスが発生し、また生産ロス分を取り戻すために高負荷で運転を行うことで、電気代が余分にかかっていました。一方、本サービスを通して当社から代替品をレンタルすることで、生産ロスを回避でき、電気代も抑えながら操業を続けることができるようになります。また、代替品は当社の認定補修拠点にて都度メンテナンスされ、欧州の複数ユーザー間でリユースされます。
さらに、遊休資産化しやすい予備品をユーザー自身で所有・メンテナンスする必要がなくなることで、ユーザー毎に予備品を持つ必要がなくなるため、欧州内で使用される貴金属のリデュースが可能となります。
本実証では、環境配慮型の電解事業を展開する第一人者であり、当社と40年以上にわたるパートナーシップがあるNobian社と、運用課題特定とサービス内容最適化を探索します。さらに欧州にて30年以上の歴史を持つLOGISTEED Europe社を電解セルの保管拠点とし、ユーザーと保管拠点の間のリバースロジスティクス確立に向けた検討を進めて、2025年の本格事業化を目指します。

  • 本サービスのイメージ図
    本サービスのイメージ図

3. 今後の事業展開

サービス展開エリアをアジアや北米にまで広げるとともに、2020年2月に買収したRecherche 2000 Inc.のシステム開発力と融合したさらなるサービスの高度化や、貴金属および金属のサーキュラーエコノミーの取り組みを、セルおよび電極のリユース・リデュース領域からリサイクル領域にまで広げることを目指していきます。

Nobian GmbHについて
Nobian社は、建設やクリーニング、医薬品から水処理までの、さまざまな産業向けの塩、必須化学品、エネルギーの製造における欧州市場のリーダーです。オランダ、ドイツ、デンマークに最新の生産拠点を持ち、一貫したバリューチェーンにより、高純度の塩、クロールアルカリ、クロロメタン、水素を安全かつ確実に供給することに強みを持っています。
Nobian社は1918年から100年以上にわたって塩の生産を行ってきた歴史があり、また地下エネルギー貯蔵の分野でも豊富な経験を持っています。同社の1,600人の従業員は、より安全で、より効率的で、より持続可能な企業を目指しています。Nobian社は、社会が信頼を寄せる化学を通じて、現在の必要不可欠な製品が今後も人々の生活を向上させ続けることを約束しています。
LOGISTEED Europe B.V.について
LOGISTEED Europe社は、1989年にヨーロッパでのロジスティクス活動を開始し、ドイツに最初の拠点を開設いたしました。以来、同社は継続的に成長し続け、倉庫保管、輸送、通関、ロジスティクス・コンサルティング、貨物輸送など、幅広いサービスを提供しております。 本社はオランダにあり、ヨーロッパの輸送拠点であるロッテルダムやスキポールへのアクセスも容易です。LOGISTEEDのグループ会社として、グローバルに物流サービスを提供しています。
  • ※1 食塩水を電気分解して塩素と苛性ソーダを製造するプロセスで、有機物、無機物、医薬品、石鹸・洗剤などの多くの最終用途に使用されています。
  • ※2 2023年8月4日「2024 World Analysis - Chlor-Alkali – Appendix」

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以上