脱炭素パートナーとしての挑戦

「環境貢献製品」を通じ、カーボンニュートラルの実現へ

旭化成で活躍する若き開拓者たち(Trailblazers)の姿を紹介します。「脱炭素パートナーとしての挑戦」をテーマに、社内認定制度「環境貢献製品」を通じて事業のサステナビリティに取り組む3人に話を聞きました。

  • 所属・記事内容は2023年11月時点のものです。
  • (左から)小川さん、山本さん、村上さん

サステナビリティという社会の要請に応えたい

旭化成の志望動機

村上

大学を卒業後、商社に勤めたのち旭化成に転職して約10年になります。アルペンスキーをやっていた関係で身体に関することに興味があったので、医薬事業会社である旭化成ファーマでMR職(医薬情報担当者)に8年ほど従事していましたが、2021年に現在のサステナビリティ推進部に異動しました。先輩社員が魅力的だったことと、事業分野が多岐にわたり今後の成長性や幅広いキャリアチャンスが期待できることが、入社の大きな決め手でした。

小川

私は大学院を卒業した2011年に入社しました。電気電子工学が専攻でしたが、電機メーカーよりも技術の可能性に広がりを感じて素材メーカーを志望していました。職場見学などで旭化成の社風や雰囲気の良さを感じ、のびのびやりたい私に合っていると感じ、この会社を選びました。

山本

学生時代は遺伝子疾患を治す医薬品の研究をしており、卒業後はヘルスケア事業を手がけるメーカーに就職しました。そこでは要素研究や材料探索などを担当していましたが、より事業の近くでサステナビリティという社会からの大きな要請に応える仕事がしたいと考えるようになり、転職活動をしてご縁があったのが旭化成でした。

誰かの役に立てることが、働く喜び

入社してからこれまでの仕事

村上

MR時代は地方の開業医や都内の大学病院を担当しました。その間に父親になったことをきっかけに、子どもにより良い未来を残せる仕事がしたいと考え、サステナビリティ関連部署への異動を希望して現在に至ります。私の主な業務は、ESG(環境・社会・企業統治)のうち「E(気候変動など環境対応)」の分野で、社会の潮流や動向を踏まえ、当社グループの方針や施策を企画・提案し、その社内浸透と推進を図っています。また環境貢献製品の社内認定制度の事務局も務めています。

「子どもに、より良い未来を残せる仕事がしたい」
村上さん サステナビリティ推進部

小川

私はエレクトロニクス事業の製品開発センターで集積回路の設計に約9年携わりました。技術者としてモノづくりを極める道もありましたが、誰かの役に立てることが自分の働く喜びであることに気づき、スタッフ業務を志望するようになりました。その後、業務革新を行うプロジェクトで社内業務の効率化や働き方改革に取り組み、昨年現在の事業企画室へ異動しました。今はエレクトロニクスの事業会社で、サステナビリティ活動の推進を含めた事業企画全般の仕事をしています。

山本

私は昨年入社し、人工皮革「Dinamica®(ディナミカ®)」を取り扱うカーインテリア事業部に配属となりました。目下、自社製品の知識習得に励みつつ、業務としては希望していたサステナビリティに加え、品質保証も担当しています。サステナビリティの対応では、再生可能エネルギーに関する第三者認証の取得などの業務を社内外の方々と協力して推進しています。

外部専門家レビューに基づく信頼の認定制度

社内認定制度「環境貢献製品」について

村上

当社は、市場の標準的な製品と比べ環境負荷が低減され、環境改善に貢献しているものを「環境貢献製品」と定義しています。毎年1回、各事業本部や事業会社へ社内公募をかけます。その後各事業から提案された製品の検討内容について、外部アドバイザーによるライフサイクルアセスメント(LCA)視点での数回の助言を受けブラッシュアップした後に、社外有識者の審議を経て、社内認定するものです。当社は、この環境貢献製品の拡大や新規開発が社会全体の温室効果ガス(GHG)削減につながっていくと考えています。具体的な目標としては、2030年に環境貢献製品全体のGHG削減貢献量を2020年度比で2倍以上にしていくこと、また環境貢献製品の売上割合を高めていくことを掲げています。

旭化成ならではの制度の特徴

村上

認定基準として、旭化成独自の技術やイノベーションを伴うものであることを重視しているのが一つの特徴です。また、社外有識者のメンバーをホームページで公表し審議を受けている点も挙げられます。比較対象の設定方法や環境貢献の考え方の妥当性について、客観的かつ専門的なご指摘のもと認定しているので、信頼性の高い認定内容になっていると自負しています。

2023年度に自動車内装材が新たに認定

山本

今回認定を受けた「Dinamica®」は、旭化成の独自製法による3層構造のスエード調人工皮革です。その上質な肌触りや意匠性の多彩さにより、自動車内装材、家具、ITアクセサリー、衣料、産業用資材などのさまざまな用途に向け、国内外で積極的に事業展開を図っています。今回の環境貢献製品の審査プロセスでは、リサイクル原料(ポリエステル)の使用率向上と、水系ポリウレタンの使用によるGHG排出量削減が評価され認定に至りました。申請から認定まではおよそ半年。その間、準備や調整を重ねてきました。サステナビリティ関連の仕事がしたいと標榜した私にとっては、この部署での初仕事にもなりました。

「Dinamica®の認定は、希望していたサステナビリティの初仕事」
山本さん カーインテリア事業部 技術推進部

認定を目指し、何度かトライすることも

小川

私が関わったホール素子・ホールICと電流センサーが、まさに再チャレンジしたものです。例えば電流センサーは大型ビルの空調機器の室外機の運転を制御する部品で、センサーの働きにより省エネ効果をもたらします。前回申請した時は削減効果の算定方法に課題があり、見送りとなりました。今年はこの電流センサーがどれだけ省エネ効果の面で貢献したかという「寄与率」の妥当性を再評価し、認定を得ることができました。海外のデータも織り交ぜながら、環境貢献性を合理的に明らかにできたことがポイントでした。

環境価値向上に貢献できる専門性を高めていく

今後挑戦したいことや「旭化成らしさ」について

村上

旭化成グループが目指す2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、引き続き現在の部署で貢献していきたいと思っています。入社当初、社長にも「さん付け」する旭化成の文化には戸惑いましたが、それだけオープンで建設的対話がしやすい環境でもあるわけです。「さん付け」文化は互いの距離を縮め、コミュニケーションやチームワークを育んでくれます。事業会社から現在の部署に来たのもそうですが、時代に合わせ多様な職場にチャレンジでき、柔軟に働けるこの環境で、旭化成の技術力を強みに、社会トレンドとともに活躍できる人財でありたいと思います。

小川

サステナビリティ活動の浸透と実践は、まだ道半ばです。モノづくりにおける品質・コストといった基本に加え、サステナビリティの概念をいかに社内や社会へ浸透させていけるかに、引き続き挑戦したいと思っています。私が担当するエレクトロニクス事業の成長と環境貢献の意義を同時に高めていけるように、自分ならではの視点を磨いていきたいです。旭化成には寛大な人が多く、やる気さえあれば、やらせてもらえる風土もあるので、人に喜んでもらえる仕事を形にしていきたいと思っています。

「モノづくりにサステナビリティの概念をもっと浸透させたい」
小川さん エレクトロニクス 企画管理部

山本

「Dinamica®」は自動車メーカーを含む国内外のお客様から環境対応を要請されており、まさにサステナビリティ最先端の部署で仕事ができている実感があります。まずは今の部署でサステナビリティ関連の仕事の経験を積むこと。将来的には、複数の部門でサステナビリティ分野での成果を出し、環境価値向上に貢献できる専門性を高めていければと思っています。旭化成には穏やかな人が多いと感じます。働き方のサステナビリティの観点でも、在宅勤務やサテライトオフィスの活用も可能で、さまざまな働き方を尊重しあう空気を感じるので、子育てをしながら仕事や自己研さんにまい進できるのはありがたいですね。